兵庫県三田市におけるウドの伝統的栽培方法の環境影響評価

兵庫県三田市における藁小屋による伝統的なウド栽培を行っている農家1軒と,作付面積が同規模で現在の主流であるビニールハウス栽培を行う農家1軒を対象にライフサイクルアセスメントを実施した.算定はライフサイクルインベントリデータベースIDEA v2.3を用いた積み上げ法とした.その結果,気候変動の影響物質であるCO2の排出量は,ウド小屋栽培ではウド1kgあたり4.50 kg-CO2eqであったのに対し,ビニールハウス栽培では1.61倍の7.25 kg-CO2eqであった.その他,資源消費・富栄養化・光化学オキシダントなど計10の影響領域でウド小屋栽培の方が優位であった.一方,収穫量はビニールハウス農...

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Published in日本生気象学会雑誌 Vol. 61; no. 3-4; pp. 65 - 77
Main Authors 押尾, 健吾, 長野, 和雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本生気象学会 28.02.2025
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ISSN0389-1313
1347-7617
DOI10.11227/seikisho.61.65

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Summary:兵庫県三田市における藁小屋による伝統的なウド栽培を行っている農家1軒と,作付面積が同規模で現在の主流であるビニールハウス栽培を行う農家1軒を対象にライフサイクルアセスメントを実施した.算定はライフサイクルインベントリデータベースIDEA v2.3を用いた積み上げ法とした.その結果,気候変動の影響物質であるCO2の排出量は,ウド小屋栽培ではウド1kgあたり4.50 kg-CO2eqであったのに対し,ビニールハウス栽培では1.61倍の7.25 kg-CO2eqであった.その他,資源消費・富栄養化・光化学オキシダントなど計10の影響領域でウド小屋栽培の方が優位であった.一方,収穫量はビニールハウス農家の76.9 %にとどまり,総労働時間は41.2時間長かった.
ISSN:0389-1313
1347-7617
DOI:10.11227/seikisho.61.65