当院および関連施設におけるB型肝炎ワクチン接種の有用性に関する検討

2004年から2008年までにB型肝炎(HB)ワクチン接種が完遂された601名を対象とし,HBワクチンの有用性を検討した.全体でのHBs抗体陽転率は92.2%であった.年齢層別の検討では,20~29歳の群でHBs抗体陽転率が86.0%と他の群に比較し低値であり,19歳以下の群と有意差を認めたが(P <0.0001),全体としては高齢化に伴い低下する傾向を示した.性差による検討では,男性と女性のHBs抗体陽転率はそれぞれ78.7%と97.5%で,女性に比較して男性のHBs抗体陽転率が有意に低値であった(P <0.0001).男性は20歳以上でHBs抗体陽転率が低下する傾向を有し,特に...

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Published in肝臓 Vol. 52; no. 2; pp. 87 - 93
Main Authors 小池, 和彦, 四柳, 宏, 安田, 清美, 原, 正壽, 山田, 典栄, 松田, 隆秀, 伊東, 文生, 青野, 淳子, 奥瀬, 千晃, 鈴木, 通博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 2011
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.52.87

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Summary:2004年から2008年までにB型肝炎(HB)ワクチン接種が完遂された601名を対象とし,HBワクチンの有用性を検討した.全体でのHBs抗体陽転率は92.2%であった.年齢層別の検討では,20~29歳の群でHBs抗体陽転率が86.0%と他の群に比較し低値であり,19歳以下の群と有意差を認めたが(P <0.0001),全体としては高齢化に伴い低下する傾向を示した.性差による検討では,男性と女性のHBs抗体陽転率はそれぞれ78.7%と97.5%で,女性に比較して男性のHBs抗体陽転率が有意に低値であった(P <0.0001).男性は20歳以上でHBs抗体陽転率が低下する傾向を有し,特に19歳以下の群に比較して20~29歳の群では有意に低値であった(P =0.0411).HBワクチン接種により,効率的にHBs抗体を獲得するためには,特に男性においては,20歳以前の接種が望ましいと考えられた.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.52.87