CTガイド下肺生検により脳・冠動脈空気塞栓症を生じた一例

CTガイド下肺生検において空気塞栓症が生じ,循環虚脱と脳梗塞をきたした症例を経験した。74歳女性,左下葉肺病変に対しCTガイド下肺生検が行われた。生検が終了し,仰臥位になった直後に循環虚脱が生じたため心肺蘇生を必要とした。CT所見では右冠動脈内に空気塞栓を認め,一時的に大動脈バルーンパンピングを併用した循環管理を必要としたが,血行動態は早期に改善した。また,空気塞栓に伴う脳梗塞を併発したが,保存的治療により不全麻痺などの神経症状は徐々に改善した。空気塞栓症は早期に重篤な経過を呈する可能性があることから,CTガイド下肺生検の重大な合併症として診療チーム間で共有される必要がある。...

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Bibliographic Details
Published inCardiovascular Anesthesia Vol. 24; no. 1; pp. 123 - 126
Main Authors 棚平, 千代子, 大吉, 貴文, 前川, 謙悟
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本心臓血管麻酔学会 01.08.2020
日本心臓血管麻酔学会
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ISSN1342-9132
1884-7439
DOI10.11478/jscva.2020-2-004

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Summary:CTガイド下肺生検において空気塞栓症が生じ,循環虚脱と脳梗塞をきたした症例を経験した。74歳女性,左下葉肺病変に対しCTガイド下肺生検が行われた。生検が終了し,仰臥位になった直後に循環虚脱が生じたため心肺蘇生を必要とした。CT所見では右冠動脈内に空気塞栓を認め,一時的に大動脈バルーンパンピングを併用した循環管理を必要としたが,血行動態は早期に改善した。また,空気塞栓に伴う脳梗塞を併発したが,保存的治療により不全麻痺などの神経症状は徐々に改善した。空気塞栓症は早期に重篤な経過を呈する可能性があることから,CTガイド下肺生検の重大な合併症として診療チーム間で共有される必要がある。
ISSN:1342-9132
1884-7439
DOI:10.11478/jscva.2020-2-004