肝細胞癌に対するソラフェニブの副作用と治療継続性に関する検討

進行肝細胞癌患者21例に対しソラフェニブ治療開始決定時より多職種で副作用モニタリングを実施し,副作用発現時期および重篤度と治療の継続性との関連について検討した.年齢中央値は76歳,男性は18例,女性は3例,ソラフェニブ1日平均服用量は406 mg/day,生存期間中央値は13.4カ月,副作用発現率は95%であった.4週以内の主な副作用は手足皮膚反応と血圧上昇で4週以降は疲労・倦怠感と下痢であった.副作用による休薬は48%,減量は43%で見られたが,いずれも治療は再開や継続が可能であった.副作用による治療中止は29%で見られ,手足皮膚反応での中止例はなく,全て4週以降に発現した疲労・倦怠感が原因...

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Published in肝臓 Vol. 54; no. 4; pp. 249 - 256
Main Authors 松永, 隆, 片山, 和宏, 榊原, 充, 大川, 和良, 今中, 和穗, 長谷川, 徳子, 石原, 朗雄, 小森, 桂子, 望月, 千枝, 桝, 喜惠
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 2013
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.54.249

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Summary:進行肝細胞癌患者21例に対しソラフェニブ治療開始決定時より多職種で副作用モニタリングを実施し,副作用発現時期および重篤度と治療の継続性との関連について検討した.年齢中央値は76歳,男性は18例,女性は3例,ソラフェニブ1日平均服用量は406 mg/day,生存期間中央値は13.4カ月,副作用発現率は95%であった.4週以内の主な副作用は手足皮膚反応と血圧上昇で4週以降は疲労・倦怠感と下痢であった.副作用による休薬は48%,減量は43%で見られたが,いずれも治療は再開や継続が可能であった.副作用による治療中止は29%で見られ,手足皮膚反応での中止例はなく,全て4週以降に発現した疲労・倦怠感が原因だった.ソラフェニブ治療の副作用として手足皮膚反応が注目されているが,4週以降の疲労・倦怠感がコントロール困難で,治療中止の主な理由であったことは本治療を行う上での今後の課題である.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.54.249