リンパ増殖性疾患の診断・治療

「はじめに」 私は1992年に成清卓二先生の主宰される旧第三内科(現 生体統御内科学)に入会させていただきました. 1980年代後半から90年代は悪性リンパ腫に代表されるリンパ増殖性疾患の病態が解明され, 診断, 治療が大きく変わろうとしていた時期でした. 多くの疾患特異的染色体異常とその責任遺伝子が同定され個々のリンパ増殖性疾患の病態の解明が一気に進みました. 1994年に発表されたREAL分類は, 現在約90種類以上に分類されるリンパ増殖性疾患の大部分を網羅し, その後のWHO分類への布石となりました. また新たな疾患概念であるマントル細胞リンパ腫やT/NK細胞性リンパ腫, MALTリンパ...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 61; no. 3; pp. 411 - 412
Main Author 横濱, 章彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 2011
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ISSN1343-2826
1881-1191
DOI10.2974/kmj.61.411

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Summary:「はじめに」 私は1992年に成清卓二先生の主宰される旧第三内科(現 生体統御内科学)に入会させていただきました. 1980年代後半から90年代は悪性リンパ腫に代表されるリンパ増殖性疾患の病態が解明され, 診断, 治療が大きく変わろうとしていた時期でした. 多くの疾患特異的染色体異常とその責任遺伝子が同定され個々のリンパ増殖性疾患の病態の解明が一気に進みました. 1994年に発表されたREAL分類は, 現在約90種類以上に分類されるリンパ増殖性疾患の大部分を網羅し, その後のWHO分類への布石となりました. また新たな疾患概念であるマントル細胞リンパ腫やT/NK細胞性リンパ腫, MALTリンパ腫が臨床現場に浸透して来たのもこの頃です. さらに治療においてもいわゆる第3世代の化学療法は否定され, 30年以上も標準治療として君臨するCHOP療法に回帰し, 極めて予後不良と考えられていたBurkittリンパ腫はメトトレキサートの大量投与で高頻度に治癒すると報告されました.
ISSN:1343-2826
1881-1191
DOI:10.2974/kmj.61.411