頸部エコー検査が有用であった直接型内頸動脈海綿静脈洞瘻の2症例

「はじめに」 頸動脈海綿静脈洞瘻(carotid-cavernous fistula ; CCF)は頸動脈系と海綿静脈洞との間に異常交通(動静脈瘻arteriovenous fistula ; AVF)を形成した病態で, 瘻孔の部位により直接型(direct type)と間接型(indirect type)に分類される. direct type, indirect typeともに症状は拍動性眼球突出・眼球結膜充血浮腫・血管雑音を三主徴とし, 複視などの眼症状や拍動性雑音を主訴に受診することが多い. 直接型内頸動脈海綿静脈洞瘻(direct CCF)の場合, シャント量が多いため進行性で重症化傾...

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Published inNeurosonology Vol. 28; no. 2; pp. 59 - 62
Main Authors 緒方, 利安, 川島, 博信, 福田, 健治, 嶋田, 裕史, 松永, 彰, 久枝, 恵美子, 井上, 亨, 東, 登志夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本脳神経超音波学会 31.08.2015
日本脳神経超音波学会
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ISSN0917-074X
DOI10.2301/neurosonology.28.59

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Summary:「はじめに」 頸動脈海綿静脈洞瘻(carotid-cavernous fistula ; CCF)は頸動脈系と海綿静脈洞との間に異常交通(動静脈瘻arteriovenous fistula ; AVF)を形成した病態で, 瘻孔の部位により直接型(direct type)と間接型(indirect type)に分類される. direct type, indirect typeともに症状は拍動性眼球突出・眼球結膜充血浮腫・血管雑音を三主徴とし, 複視などの眼症状や拍動性雑音を主訴に受診することが多い. 直接型内頸動脈海綿静脈洞瘻(direct CCF)の場合, シャント量が多いため進行性で重症化傾向にあり, 迅速な診断・治療が必要である. 診断の確定には血管造影が必須であるが, 非侵襲性で患者負担も少ない方法として経頭蓋超音波ドプラ法や頸部エコー検査がある. 今回われわれは, direct CCFを頸部エコー検査にて間接的に評価し, 術後の経過観察にも有用であった2症例を経験したので報告する.
ISSN:0917-074X
DOI:10.2301/neurosonology.28.59