超音波画像による血管内レーザー治療の照射位置の検討:脛骨神経と小伏在静脈の位置的関係について
「はじめに」近年, 下肢静脈瘤に対する治療法として, 従来の高位結紮術やストリッピング術といった外科的手術に替わり, 血管内レーザー治療(endovenous laser ablation:EVLA)が広く行われるようになった. EVLAは良好な治療成績が報告されており, 局所麻酔のみで行え, 日帰り治療が可能である. 体外式超音波検査(ultrasonography:US)は高解像度でリアルタイム性に優れていることより下肢静脈瘤の診断に広く利用されている. EVLAにおいては, 術前のマーキングから穿刺, 麻酔薬の注入, カテーテルの挿入からレーザー焼灼および術後の閉塞確認まで, すべてUS...
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Published in | Neurosonology Vol. 29; no. 1; pp. 38 - 42 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本脳神経超音波学会
2016
日本脳神経超音波学会 |
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ISSN | 0917-074X |
DOI | 10.2301/neurosonology.29.38 |
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Summary: | 「はじめに」近年, 下肢静脈瘤に対する治療法として, 従来の高位結紮術やストリッピング術といった外科的手術に替わり, 血管内レーザー治療(endovenous laser ablation:EVLA)が広く行われるようになった. EVLAは良好な治療成績が報告されており, 局所麻酔のみで行え, 日帰り治療が可能である. 体外式超音波検査(ultrasonography:US)は高解像度でリアルタイム性に優れていることより下肢静脈瘤の診断に広く利用されている. EVLAにおいては, 術前のマーキングから穿刺, 麻酔薬の注入, カテーテルの挿入からレーザー焼灼および術後の閉塞確認まで, すべてUSガイド下にて行われる. EVLAは, 比較的低侵襲的な治療法ではあるものの, いくつかの関連を否定できない有害事象が報告されている. 通常のEVLAでは, 疼痛抑制や皮膚および周囲組織の熱傷予防のため, レーザー焼灼前にTLA麻酔(tumescent local anesthesia:TLA)の注入を行っているが, さらに, 小伏在静脈瘤に対してEVLAを実施する際には, 小伏在静脈-膝窩静脈接合部(sapheno-popliteal junction:SPJ)において小伏在静脈(small saphenous vein:SSV)と脛骨神経が隣接しているため, 脛骨神経の損傷を回避するためには両者が接しない位置より, レーザー焼灼を開始する必要がある. |
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ISSN: | 0917-074X |
DOI: | 10.2301/neurosonology.29.38 |