人工心肺離脱直後に術中経食道心エコーにより診断された心室中隔血腫の一例

症例は1歳,女児。生後よりファロー四徴症と診断され,今回,心室中隔欠損閉鎖術,右室流出路再建術が施行された。人工心肺離脱直後に,経食道心エコー(transesophageal echocardiography:TEE)にて,心室中隔内に20×10 mm大の低エコー領域を認め,心室中隔血腫と診断された。しかしTEE上,心室中隔血腫の増大や両心室流出路の閉塞を認めず,血行動態も安定していたため,外科的な介入を行わず保存的治療を選択し,大きな合併症なく周術期を管理し得た。心室中隔血腫の早期診断および治療方針の決定に,術中TEEの果たす役割は非常に大きいと考えられる。...

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Bibliographic Details
Published inCardiovascular Anesthesia Vol. 22; no. 1; pp. 133 - 137
Main Authors 馬場, 洋, 今井, 英一, 大橋, 宣子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本心臓血管麻酔学会 01.08.2018
日本心臓血管麻酔学会
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ISSN1342-9132
1884-7439
DOI10.11478/jscva.2018-2-002

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Summary:症例は1歳,女児。生後よりファロー四徴症と診断され,今回,心室中隔欠損閉鎖術,右室流出路再建術が施行された。人工心肺離脱直後に,経食道心エコー(transesophageal echocardiography:TEE)にて,心室中隔内に20×10 mm大の低エコー領域を認め,心室中隔血腫と診断された。しかしTEE上,心室中隔血腫の増大や両心室流出路の閉塞を認めず,血行動態も安定していたため,外科的な介入を行わず保存的治療を選択し,大きな合併症なく周術期を管理し得た。心室中隔血腫の早期診断および治療方針の決定に,術中TEEの果たす役割は非常に大きいと考えられる。
ISSN:1342-9132
1884-7439
DOI:10.11478/jscva.2018-2-002