網膜中心動脈閉塞症を契機に発見されたcalcified amorphous tumorによる多発脳塞栓症の1例

「はじめに」calcified amorphous tumor (CAT) は, 1997年にReynoldsらにより初めて報告された, 心臓内に発生する非腫瘍性腫瘤性病変である. 透析患者や高齢者に発症することが多いといわれているが, 基礎疾患のない患者にCATが発生した報告もみられる. 脳塞栓症を発症することもあり, 外科的治療が選択されることが多い. 今回われわれは, 網膜中心動脈閉塞症を契機にCATの存在が確認された症例を経験したので報告する. 「症例」患者 : 64歳, 男性. 主訴 : 左眼でものが見えにくい. 既往歴 : なし. 現病歴 : X年9月上旬朝に突然左眼の羞明感を自覚...

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Published inNeurosonology Vol. 32; no. 1; pp. 19 - 22
Main Authors 柳澤, 俊之, 宮入, 剛, 長谷川, 泰弘, 萩原, 悠太, 鈴木, 寛俊, 荒賀, 崇, 佐瀬, 佳奈, 長宗我部, 基弘, 清水, 高弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本脳神経超音波学会 2019
日本脳神経超音波学会
Subjects
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ISSN0917-074X
DOI10.2301/neurosonology.32.19

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Summary:「はじめに」calcified amorphous tumor (CAT) は, 1997年にReynoldsらにより初めて報告された, 心臓内に発生する非腫瘍性腫瘤性病変である. 透析患者や高齢者に発症することが多いといわれているが, 基礎疾患のない患者にCATが発生した報告もみられる. 脳塞栓症を発症することもあり, 外科的治療が選択されることが多い. 今回われわれは, 網膜中心動脈閉塞症を契機にCATの存在が確認された症例を経験したので報告する. 「症例」患者 : 64歳, 男性. 主訴 : 左眼でものが見えにくい. 既往歴 : なし. 現病歴 : X年9月上旬朝に突然左眼の羞明感を自覚した. その1時間後より左眼の見えにくさも出現するようになり, 近医眼科を受診した. 診察の結果, 網膜中心動脈閉塞症の診断となった. 頭部MRIにて散在性脳梗塞が認められたことから, 当院に紹介となった.
ISSN:0917-074X
DOI:10.2301/neurosonology.32.19