甲状腺眼症による上眼瞼腫脹へのビマトプロスト点眼液の有効性
上眼瞼腫脹のみを症状とする甲状腺眼症に対しプロスタフランジン(PG)関連薬の副作用である上眼瞼溝の深化(deepening of upper eyelid sulcus: DUES)の発生を期待して,PG関連薬を使用した.対象は5名7眼,全例女性,平均年齢43歳,ビマトプロスト点眼液を1日1回夕方に点眼.顔写真,自覚症状・他覚症状の改善で効果判定を行った.5例中,写真判定2例,自覚症状3例,他覚症状4例で改善を認めた.脂肪細胞の増大が一症状である甲状腺眼症に対し,脂肪細胞の萎縮もしくは,分化の抑制が起こったためだと推測される.上眼瞼腫脹のみを症状とする甲状腺眼症の治療には,ステロイドを使用する...
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Published in | 神経眼科 Vol. 31; no. 2; pp. 199 - 204 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本神経眼科学会
25.06.2014
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ISSN | 0289-7024 2188-2002 |
DOI | 10.11476/shinkeiganka.31.199 |
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Summary: | 上眼瞼腫脹のみを症状とする甲状腺眼症に対しプロスタフランジン(PG)関連薬の副作用である上眼瞼溝の深化(deepening of upper eyelid sulcus: DUES)の発生を期待して,PG関連薬を使用した.対象は5名7眼,全例女性,平均年齢43歳,ビマトプロスト点眼液を1日1回夕方に点眼.顔写真,自覚症状・他覚症状の改善で効果判定を行った.5例中,写真判定2例,自覚症状3例,他覚症状4例で改善を認めた.脂肪細胞の増大が一症状である甲状腺眼症に対し,脂肪細胞の萎縮もしくは,分化の抑制が起こったためだと推測される.上眼瞼腫脹のみを症状とする甲状腺眼症の治療には,ステロイドを使用する前に,ビマトプロスト点眼液の使用は考慮する治療の一つである. |
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ISSN: | 0289-7024 2188-2002 |
DOI: | 10.11476/shinkeiganka.31.199 |