外来心疾患患者の自己効力感と運動耐容能の組み合わせが身体活動量に与える影響
【はじめに、目的】 本研究の目的は,心疾患患者における自己効力感と運動耐容能の組み合わせが身体活動量に及ぼす影響を明らかにすることとした. 【方法】 研究デザインは横断研究とした.対象は,当院の外来心臓リハビリテーションを実施している心疾患患者とした.除外基準は,歩行困難な者,医師より運動制限の指示がある者,骨関節疾患を有する者,指示理解が困難な者とした.アウトカムは、 1日あたりの歩数とした.活動量計 (Fitbit社)を1週間装着し,1日あたりの平均歩数を算出した.要因は,6MWDおよび自己効力感の良好・不良の組み合わせによる4群 (Group1: 6MWD不 良・自己効力感不良,Grou...
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Published in | Japanese Society of physical therapy for prevention (supplement) Vol. 2.Suppl.No.1; p. 41 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本予防理学療法学会
31.03.2024
Japanese Society of physical therapy for prevention |
Online Access | Get full text |
ISSN | 2758-7983 |
DOI | 10.57304/jsptpsuppl.2.Suppl.No.1.0_41 |
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Summary: | 【はじめに、目的】 本研究の目的は,心疾患患者における自己効力感と運動耐容能の組み合わせが身体活動量に及ぼす影響を明らかにすることとした. 【方法】 研究デザインは横断研究とした.対象は,当院の外来心臓リハビリテーションを実施している心疾患患者とした.除外基準は,歩行困難な者,医師より運動制限の指示がある者,骨関節疾患を有する者,指示理解が困難な者とした.アウトカムは、 1日あたりの歩数とした.活動量計 (Fitbit社)を1週間装着し,1日あたりの平均歩数を算出した.要因は,6MWDおよび自己効力感の良好・不良の組み合わせによる4群 (Group1: 6MWD不 良・自己効力感不良,Group2: 6MWD良好・自己効力感不良, Group3: 6MWD不良・自己効力感良好,Group4: 6MWD良好・自己効力感良好)とした.統計解析としては,前述の4群間で身体活動量に差があるか検討するため一般線形モデルを用い,事後検定にはBonferroni法を用いた.この際,調整変数として年齢,性別,BMI,糖尿病の有無,NYHAを投入した. 【結果】 解析対象者は89名 (女性39名,年齢72.1±7.3歳,BMI 24.8± 4.2)であった.1日あたりの歩数は5,677.9±4,267.1歩/日,6 分間歩行距離は388.1±95.2m,自己効力感は13.3±4.0点であった.一般線形モデルの結果,1日あたりの歩数は交絡要因で調整した上でも4群間で有意な差を認め (F値=2.90,p=0.034), Group1と比較してGroup3 (p=0.018)・Group4 (p<0.001)が, Group2と比較してGroup3 (p=0.043)・Group 4 (p<0.001)が,それぞれ有意に高いことが示された. 【結論】 心疾患患者における身体活動量には,運動耐容能および自己効力感が関係していることが示された.つまり,運動耐容能が低値であっても,自己効力感を向上させることで身体活動量を増加させることができる可能性を示唆しており,理学療法による介入の余地があると考えられた. 【倫理的配慮】本研究はヘルシンキ宣言に則り,研究の目的や方法について説明を十分に行い,同意を得て実施した. |
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Bibliography: | YOS-09-4 |
ISSN: | 2758-7983 |
DOI: | 10.57304/jsptpsuppl.2.Suppl.No.1.0_41 |