頸動脈可動性病変の多様性とその治療 ─エコー所見による発症機序の考察

「はじめに」頸動脈可動性病変は頸部エコー検査で発見されることが多く, 一般的に「可動性プラーク(mobile plaque)」として不安定プラークの一類型として扱われることが多い. しかし, その病態は多様でさまざまな病変を基盤に発症している可能性があり, 治療にあたりそのメカニズムの理解が重要と考えられる. 可動性プラークは, 多くの報告ではplaque ruptureに関連する病態として捉えられており, その様態もプラーク片主体のものから血栓主体のものまで多様である. さらに最近ではplaque rupture後のような粗大なplaqueの動きではないが, 微妙なプラークのoscillat...

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Published inNeurosonology Vol. 29; no. 1; pp. 22 - 27
Main Authors 李, 喆, 永井, 利樹, 松田, 和也, 松本, 圭吾, 橋村, 直樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本脳神経超音波学会 2016
日本脳神経超音波学会
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ISSN0917-074X
DOI10.2301/neurosonology.29.22

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Summary:「はじめに」頸動脈可動性病変は頸部エコー検査で発見されることが多く, 一般的に「可動性プラーク(mobile plaque)」として不安定プラークの一類型として扱われることが多い. しかし, その病態は多様でさまざまな病変を基盤に発症している可能性があり, 治療にあたりそのメカニズムの理解が重要と考えられる. 可動性プラークは, 多くの報告ではplaque ruptureに関連する病態として捉えられており, その様態もプラーク片主体のものから血栓主体のものまで多様である. さらに最近ではplaque rupture後のような粗大なplaqueの動きではないが, 微妙なプラークのoscillationをvulnerable plaqueの徴と捉え「Jellyfish sign」と呼ばれる可動性プラークの一種として報告されている. 本稿ではfloating plaqueとして呼称される粗大な可動性病変としてのプラーク片や潰瘍壁に付着する血栓を主体としたものをその画像所見, 治療経過を精査し, その多様な発症メカニズムに対する治療法について検討した.
ISSN:0917-074X
DOI:10.2301/neurosonology.29.22