腹腔鏡下洗浄ドレナージ術を行った腹膜透析関連腹膜炎の2例
腹膜透析(peritoneal dialysis:以下PD)関連腹膜炎は,PD患者に生じる重篤な合併症の一つである.PD関連腹膜炎の2例に対して,腹腔鏡下にカテーテル抜去,腹腔洗浄ドレナージを施行した経験を報告する.症例1は,4年前より持続的携行型腹膜透析(continuous ambulatory peritoneal dialysis:以下CAPD)を行っている68歳の男性で,PD関連腹膜炎診断時のPD排液培養で酵母様真菌を検出し,真菌性腹膜炎と診断された.症例2は,3カ月前にCAPDを導入した44歳の男性で,出口部感染に続発するPD関連腹膜炎の診断で抗菌薬治療を5日間行っても,発熱・排液...
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| Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 82; no. 12; pp. 2313 - 2317 |
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| Main Authors | , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本臨床外科学会
2021
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
| DOI | 10.3919/jjsa.82.2313 |
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| Summary: | 腹膜透析(peritoneal dialysis:以下PD)関連腹膜炎は,PD患者に生じる重篤な合併症の一つである.PD関連腹膜炎の2例に対して,腹腔鏡下にカテーテル抜去,腹腔洗浄ドレナージを施行した経験を報告する.症例1は,4年前より持続的携行型腹膜透析(continuous ambulatory peritoneal dialysis:以下CAPD)を行っている68歳の男性で,PD関連腹膜炎診断時のPD排液培養で酵母様真菌を検出し,真菌性腹膜炎と診断された.症例2は,3カ月前にCAPDを導入した44歳の男性で,出口部感染に続発するPD関連腹膜炎の診断で抗菌薬治療を5日間行っても,発熱・排液混濁が続き,難治性腹膜炎と診断された.この2症例に,腹腔鏡下にカテーテル抜去,次いで体位変換を行いながら,洗浄液の混濁が無くなるまで腹腔洗浄を行った.術後合併症を認めなかった.早期カテーテル抜去に加え腹腔洗浄ドレナージを行うことで,安全なPD関連腹膜炎の治療に寄与できたと考えている. |
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| ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
| DOI: | 10.3919/jjsa.82.2313 |