TB-Beadsを用いた抗酸菌集菌法の基礎的検討

結核をはじめとした抗酸菌検査は遠心集菌法が推奨されている。しかし,遠心集菌法は高額なバイオハザード対策用冷却遠心機が必須で,施設によっては導入が困難である。磁性ビーズによる抗酸菌集菌法であるTB-Beads法は,バイオハザード対策用冷却遠心機を必要としない集菌法であり,これを評価する目的で基礎的検討を行った。当院にて抗酸菌検査依頼のあった喀痰50検体を対象とし,TB-Beads法と遠心集菌法による各抗酸菌集菌法処理後の塗沫検査,培養検査,遺伝子検査の結果を比較評価した。一致率は塗沫検査92.0%,培養検査100%,遺伝子検査98.0%であった。塗沫検査ではTB-Beads法が遠心集菌法よりも感...

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Published inJapanese Journal of Medical Technology Vol. 67; no. 5; pp. 716 - 721
Main Authors 押元, 雄一, 山田, 智, 橋本, 幸平, 大塚, 喜人, 戸口, 明宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会 25.10.2018
日本臨床衛生検査技師会
Japanese Association of Medical Technologists
Subjects
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ISSN0915-8669
2188-5346
DOI10.14932/jamt.18-31

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Summary:結核をはじめとした抗酸菌検査は遠心集菌法が推奨されている。しかし,遠心集菌法は高額なバイオハザード対策用冷却遠心機が必須で,施設によっては導入が困難である。磁性ビーズによる抗酸菌集菌法であるTB-Beads法は,バイオハザード対策用冷却遠心機を必要としない集菌法であり,これを評価する目的で基礎的検討を行った。当院にて抗酸菌検査依頼のあった喀痰50検体を対象とし,TB-Beads法と遠心集菌法による各抗酸菌集菌法処理後の塗沫検査,培養検査,遺伝子検査の結果を比較評価した。一致率は塗沫検査92.0%,培養検査100%,遺伝子検査98.0%であった。塗沫検査ではTB-Beads法が遠心集菌法よりも感度が低かったが,培養検査と遺伝子検査では良好な一致率であった。TB-Beads法はバイオハザード対策用遠心機を用いることなく抗酸菌集菌法が行えることで,より多くの施設で抗酸菌検査の精度向上が可能となる。
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.18-31