Transhepatic Approachで肝内胆管空腸吻合術を施行したⅢb型外傷性肝損傷後胆管狭窄の1例
症例は23歳女性。乗用車を運転中,対向車との正面衝突で受傷。腹部鈍的外傷,肝前区域から肝S4にかけての複雑深在性肝損傷(Ⅲb型)と診断され,肝止血,S4部分切除術が施行された。術後胆汁漏を認めるも保存的に軽快した。術後半年より腹部鈍痛と肝胆道系酵素の上昇を認め,術後1年,CTで左側優位の肝内胆管拡張を認めた。遅発性胆道狭窄の診断となり当科紹介受診となった。IVR治療で内瘻化は困難であり,手術適応と考え,肝切除を回避し胆道再建により肝温存する術式を選択した。肝門部での胆道再建は困難であったため,Transhepatic Approachによる肝内胆管空腸吻合術を施行した。合併症を認めず,術後21...
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Published in | Nihon Fukubu Kyukyu Igakkai Zasshi (Journal of Abdominal Emergency Medicine) Vol. 38; no. 1; pp. 041 - 044 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本腹部救急医学会
31.01.2018
Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1340-2242 1882-4781 |
DOI | 10.11231/jaem.38.041 |
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Summary: | 症例は23歳女性。乗用車を運転中,対向車との正面衝突で受傷。腹部鈍的外傷,肝前区域から肝S4にかけての複雑深在性肝損傷(Ⅲb型)と診断され,肝止血,S4部分切除術が施行された。術後胆汁漏を認めるも保存的に軽快した。術後半年より腹部鈍痛と肝胆道系酵素の上昇を認め,術後1年,CTで左側優位の肝内胆管拡張を認めた。遅発性胆道狭窄の診断となり当科紹介受診となった。IVR治療で内瘻化は困難であり,手術適応と考え,肝切除を回避し胆道再建により肝温存する術式を選択した。肝門部での胆道再建は困難であったため,Transhepatic Approachによる肝内胆管空腸吻合術を施行した。合併症を認めず,術後21日目に退院となった。当院術後2年の現在,肝機能は正常,左肝内肝管拡張は認めず,経過良好である。 |
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ISSN: | 1340-2242 1882-4781 |
DOI: | 10.11231/jaem.38.041 |