ヨード造影剤アレルギーの両側腎動脈狭窄に対して炭酸ガス造影を用い腎動脈形成術に成功し良好な降圧効果が得られた1例
症例は75歳, 女性. 20年来の高血圧, 糖尿病で加療されており, 2007年に超音波検査と非造影MRAで両側腎動脈狭窄が疑われたが, ヨード造影剤アレルギーのため, 造影検査や経皮的腎動脈形成術 (percutaneous transluminal renal angioplasty ; PTRA) は困難であり, 薬物療法を行っていた. 2012年6月にふらつきを自覚し, 受診時に収縮期血圧が200mmHg台まで上昇しており, 精査加療のため入院となった. 超音波検査で両側の腎動脈狭窄は進行しており, 降圧薬を6剤併用したが, 安静時血圧160/50mmHgとコントロール不良であった....
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Published in | Shinzo Vol. 46; no. 6; pp. 780 - 787 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
2014
日本心臓財団・日本循環器学会 Japan Heart Foundation |
Subjects | |
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ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo.46.780 |
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Summary: | 症例は75歳, 女性. 20年来の高血圧, 糖尿病で加療されており, 2007年に超音波検査と非造影MRAで両側腎動脈狭窄が疑われたが, ヨード造影剤アレルギーのため, 造影検査や経皮的腎動脈形成術 (percutaneous transluminal renal angioplasty ; PTRA) は困難であり, 薬物療法を行っていた. 2012年6月にふらつきを自覚し, 受診時に収縮期血圧が200mmHg台まで上昇しており, 精査加療のため入院となった. 超音波検査で両側の腎動脈狭窄は進行しており, 降圧薬を6剤併用したが, 安静時血圧160/50mmHgとコントロール不良であった. 血圧コントロールにはPTRAが必要と考えたが, ヨード造影剤アレルギーのため, 代替造影剤として炭酸ガスを用いることとしてPTRAを施行した. 炭酸ガス造影と血管内超音波 (intravascular ultrasound ; IVUS) を用いて, 2012年7月に右腎動脈, 8月に左腎動脈のPTRAに成功し, その後の降圧薬は4剤併用で安静時血圧130/50mmHgまで低下し退院となった. ヨード造影剤アレルギーの両側腎動脈狭窄による治療抵抗性高血圧に対し, 炭酸ガス造影を用いてPTRAに成功し良好な降圧効果が得られた1例を経験したので報告する. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.46.780 |