表面電気刺激による動的感覚パターン提示を用いた情報伝達の実現可能性

本論文では,文字や図形のように直感的に理解できるようなパターンを皮膚電気刺激による移動感覚で提示して情報を伝達する方式の実現可能性について検討を行った.最初に,パターン提示用電極を実験的検討に基づいて製作し,次に,基本的な16種類の提示パターンの認識実験を健常被験者で実施した.この結果から,パターン認識における間違いの一因として電気刺激感覚の残存の影響に着目し,移動感覚提示における提示パターン間の時間間隔を,実験的検討を実施して修正した.そして,これらの結果を基に修正した14種類の提示パターンを用いて認識実験を行った結果,6人中4人の健常被験者で70.7~90%の認識率が得られ,4種類の提示パ...

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Published inバイオメカニズム学会誌 Vol. 31; no. 1; pp. 30 - 35
Main Authors 佐藤, 由規, 吉澤, 誠, 星宮, 望, 渡邉, 高志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published バイオメカニズム学会 2007
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ISSN0285-0885
DOI10.3951/sobim.31.30

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Summary:本論文では,文字や図形のように直感的に理解できるようなパターンを皮膚電気刺激による移動感覚で提示して情報を伝達する方式の実現可能性について検討を行った.最初に,パターン提示用電極を実験的検討に基づいて製作し,次に,基本的な16種類の提示パターンの認識実験を健常被験者で実施した.この結果から,パターン認識における間違いの一因として電気刺激感覚の残存の影響に着目し,移動感覚提示における提示パターン間の時間間隔を,実験的検討を実施して修正した.そして,これらの結果を基に修正した14種類の提示パターンを用いて認識実験を行った結果,6人中4人の健常被験者で70.7~90%の認識率が得られ,4種類の提示パターンだけであった過去の研究結果に対し,より多い提示パターン数に対して同等以上の良い認識率が得られることを示した.また,過去の実験と同様に斜め方向の移動を含まなければ,平均で90%程度の高い認識精度を期待できることも示した.これらの結果から,移動感覚による複数のパターンの識別が十分可能になると期待され,それを用いた情報提示が実現可能であると考えられる.
ISSN:0285-0885
DOI:10.3951/sobim.31.30