下部消化管穿孔症例の創傷管理に関する検討

【はじめに】下部消化管穿孔に対する手術は手術部位感染(以下,SSI)が起こりやすく,近年SSIに対して局所陰圧閉鎖療法(以下,NPWT)の有用性が強調されているが,予防的施行の報告は少ない。【対象および方法】2012年4月から2016年8月まで当院で緊急手術を施行した下部消化管穿通・穿孔症例35例を対象とし,予防的なNPWT施行の有無で2群に分けてSSI発生の有無,創閉鎖までの期間,退院までの期間について検討を行った。【結果】35例のうち,予防的にNPWTを施行した症例は9例,それ以外の症例は26例で,SSIは前者で1例,後者で13例に発生し,予防的にNPWTを施行した症例で有意にSSI発生率...

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Published inNihon Fukubu Kyukyu Igakkai Zasshi (Journal of Abdominal Emergency Medicine) Vol. 37; no. 7; pp. 979 - 983
Main Authors 草塩, 公彦, 宇田川, 郁夫, 鈴木, 大, 山本, 奈緒, 高村, 卓志, 松本, 正成, 伊良部, 真一郎, 吉住, 有人, 安冨, 淳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 30.11.2017
Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine
Subjects
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.37.979

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Summary:【はじめに】下部消化管穿孔に対する手術は手術部位感染(以下,SSI)が起こりやすく,近年SSIに対して局所陰圧閉鎖療法(以下,NPWT)の有用性が強調されているが,予防的施行の報告は少ない。【対象および方法】2012年4月から2016年8月まで当院で緊急手術を施行した下部消化管穿通・穿孔症例35例を対象とし,予防的なNPWT施行の有無で2群に分けてSSI発生の有無,創閉鎖までの期間,退院までの期間について検討を行った。【結果】35例のうち,予防的にNPWTを施行した症例は9例,それ以外の症例は26例で,SSIは前者で1例,後者で13例に発生し,予防的にNPWTを施行した症例で有意にSSI発生率が低かった(P<0.05)。創閉鎖までの期間・退院までの期間については有意差を認めなかった。【結論】下部消化管穿孔症例の創傷管理において,予防的なNPWT施行はSSIの発生率を低下させうると考えられた。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.37.979