急性出血性胆囊炎に対し腹腔鏡下胆囊摘出術を施行した1例

患者は79歳,男性。結腸右半切除の開腹手術歴があり,心房細動に対しワルファリンカリウムを内服中であった。突然の右季肋部痛を主訴に受診し,腹部造影CTで胆囊の腫大と頸部の結石および胆囊周囲に造影効果を伴う液体貯留を認め,腹腔内出血を伴う出血性胆囊炎と診断した。急性胆管炎・胆囊炎診療ガイドライン2013に準じて緊急腹腔鏡下胆囊摘出術を施行した。癒着した大網と胆囊の間に血腫を認めたが,胆囊に穿孔部位は認めなかった。胆囊頸部周囲の癒着は比較的容易に剝離が可能で腹腔鏡下に胆囊摘出術を完遂した。今回,上腹部開腹歴や抗凝固療法併用といった悪条件を伴う出血性胆囊炎に対し緊急腹腔鏡下胆囊摘出術を施行し得た1例を...

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Published inNihon Fukubu Kyukyu Igakkai Zasshi (Journal of Abdominal Emergency Medicine) Vol. 38; no. 3; pp. 571 - 574
Main Authors 山本, 聖一郎, 筒井, 麻衣, 中西, 亮, 高野, 公徳, 中川, 基人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 31.03.2018
Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine
Subjects
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.38.571

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Summary:患者は79歳,男性。結腸右半切除の開腹手術歴があり,心房細動に対しワルファリンカリウムを内服中であった。突然の右季肋部痛を主訴に受診し,腹部造影CTで胆囊の腫大と頸部の結石および胆囊周囲に造影効果を伴う液体貯留を認め,腹腔内出血を伴う出血性胆囊炎と診断した。急性胆管炎・胆囊炎診療ガイドライン2013に準じて緊急腹腔鏡下胆囊摘出術を施行した。癒着した大網と胆囊の間に血腫を認めたが,胆囊に穿孔部位は認めなかった。胆囊頸部周囲の癒着は比較的容易に剝離が可能で腹腔鏡下に胆囊摘出術を完遂した。今回,上腹部開腹歴や抗凝固療法併用といった悪条件を伴う出血性胆囊炎に対し緊急腹腔鏡下胆囊摘出術を施行し得た1例を経験したため報告する。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.38.571