椎体破裂骨折による遅発性麻痺に対する後方アプローチによる骨片摘出術

【目的】椎体破裂骨折による遅発性麻痺に対する手術法は各種報告されたいるが,統一した見解はない.我々は後方から骨片摘出を試みたので報告する.【対象および方法】症例は2例.一例目は75歳女性.パーキンソン病を有し,L3破裂骨折による遅発性の不全麻痺を呈し,座位,歩行不能であった.二例目は59歳男性.T6破裂骨折による遅発性の脊髄不全麻痺.両下肢の痺れと歩行困難を呈した.両側椎弓根を切除し,硬膜腹側と骨片を剥離し骨片を摘出後,instrumentationを行った.二例とも経過良好である.【考察】一例目は著明な骨片迷入,二例目は後弯もあり前方アプローチ困難と判断し,後方骨片摘出術を行った.本法では全...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 68; no. 3; pp. 601 - 605
Main Authors 巽, 政人, 眞田, 京一, 大田, 秀樹, 井口, 洋平, 松本, 佳之, 塩川, 晃章, 竹光, 義治, 今井, 大輔, 木田, 浩隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2019
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.68.601

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Summary:【目的】椎体破裂骨折による遅発性麻痺に対する手術法は各種報告されたいるが,統一した見解はない.我々は後方から骨片摘出を試みたので報告する.【対象および方法】症例は2例.一例目は75歳女性.パーキンソン病を有し,L3破裂骨折による遅発性の不全麻痺を呈し,座位,歩行不能であった.二例目は59歳男性.T6破裂骨折による遅発性の脊髄不全麻痺.両下肢の痺れと歩行困難を呈した.両側椎弓根を切除し,硬膜腹側と骨片を剥離し骨片を摘出後,instrumentationを行った.二例とも経過良好である.【考察】一例目は著明な骨片迷入,二例目は後弯もあり前方アプローチ困難と判断し,後方骨片摘出術を行った.本法では全周性除圧が可能で胸椎から腰椎のどのレベルにも対応でき,同時にalignmentの矯正も可能である.問題は侵襲がやや大きいことである.【結語】椎体破裂骨折による遅発性麻痺に対して後方骨片摘出術は完全な除圧が得られ有用な術式である.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.68.601