乳癌治療中のpegfilgrastimによる大型血管炎の2例
G-CSF製剤投与後大型血管炎の報告例は増加しているが未だ少なく,病態も不明な点が多い.今回,術後補助化学療法中のpegfilgrastim投与後に発症した2例を経験したので報告する.1例目は78歳の女性.右乳房全切除+腋窩リンパ節郭清を施行(浸潤性小葉癌,pT2N2aM0,Stage IIIA).術後TC療法を開始し,1コース目のDay3にpegfilgrastimを投与した.Day6より発熱および炎症反応の上昇を認めた.2例目は70歳の女性.右乳房切除を施行(浸潤性乳管癌,pT1cN0M0,Stage IA).術後TC療法を開始し,1コース目のDay3にpegfilgrastimを投与した...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 82; no. 10; pp. 1805 - 1809 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2021
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Subjects | |
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ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.82.1805 |
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Summary: | G-CSF製剤投与後大型血管炎の報告例は増加しているが未だ少なく,病態も不明な点が多い.今回,術後補助化学療法中のpegfilgrastim投与後に発症した2例を経験したので報告する.1例目は78歳の女性.右乳房全切除+腋窩リンパ節郭清を施行(浸潤性小葉癌,pT2N2aM0,Stage IIIA).術後TC療法を開始し,1コース目のDay3にpegfilgrastimを投与した.Day6より発熱および炎症反応の上昇を認めた.2例目は70歳の女性.右乳房切除を施行(浸潤性乳管癌,pT1cN0M0,Stage IA).術後TC療法を開始し,1コース目のDay3にpegfilgrastimを投与した.Day13より発熱・腰痛および炎症反応の上昇を認めた.2例とも造影CTで診断確定した.G-CSF製剤の使用頻度の増加に伴い,大型血管炎の発症例が増加する可能性があり,更なる症例の蓄積が必要と考えられる. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.82.1805 |