わが国の心不全レジストリー
「はじめに」心不全患者数は増加し続けすでに心不全パンデミックとさえいわれている. このような状況に対応するためには, 実臨床の状況をしっかりと把握することが重要である. 実態を把握するために心不全の疫学研究をいろいろな角度から行っていく必要がある. 日本で行われた代表的な心不全疫学研究から明らかにされた結果を総括し, 今後の心不全の臨床研究の方向性を展望する. 「入院を要した心不全患者の予後と疫学研究の意義」急性心不全の疫学研究であるATTENDレジストリーにより, 1年予後は約20%, 心不全再入院を加えると退院後1年以内に約40%の患者がイベントを起こしていることが明らかになった. J-C...
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Published in | Shinzo Vol. 49; no. 2; pp. 184 - 191 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
2017
日本心臓財団・日本循環器学会 Japan Heart Foundation |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo.49.184 |
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Summary: | 「はじめに」心不全患者数は増加し続けすでに心不全パンデミックとさえいわれている. このような状況に対応するためには, 実臨床の状況をしっかりと把握することが重要である. 実態を把握するために心不全の疫学研究をいろいろな角度から行っていく必要がある. 日本で行われた代表的な心不全疫学研究から明らかにされた結果を総括し, 今後の心不全の臨床研究の方向性を展望する. 「入院を要した心不全患者の予後と疫学研究の意義」急性心不全の疫学研究であるATTENDレジストリーにより, 1年予後は約20%, 心不全再入院を加えると退院後1年以内に約40%の患者がイベントを起こしていることが明らかになった. J-CARECARDによって慢性心不全の急性増悪で入院した患者において高齢者ほど予後不良であることも示されている. 慢性心不全のうち収縮不全の患者は標準的治療が確立され, ガイドラインに準じた治療が行われれば予後が改善することがさまざまな研究で示されているが, 日本においての東北地区の疫学研究CHART1と2試験の比較から米国心臓協会の慢性心不全分類のステージCあるいはDの患者の予後は改善してきていることが示されている. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.49.184 |