A-3. 開頭血腫除去術後の広範型急性肺血栓塞栓症に対し血栓溶解療法を施行した1例

「はじめに」急性肺血栓塞栓症は肺動脈に血栓が詰まることで起き, 広範囲の塞栓では致死的となる疾患である. 塞栓子の多くは骨盤内や下肢の深部静脈血栓からきており, 深部静脈血栓のリスク因子としては周術期の長期臥床や腫瘍などがある. 肺血栓塞栓症の重症度分類は血圧と心エコー所見からなり, 広範型:ショックあるいは収縮期血圧90mmHg未満あるいは血圧40mmHg以上の血圧低下が15分以上持続するもの, 亜広範型:ショックや40mgHg以上の血圧低下がないが心エコーで右心負荷がある, 非広範型:ショックや40mgHg以上の血圧低下がなく心エコーで右心負荷もない, の3つに分けられる. 致死的な広範型...

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Published inShinzo Vol. 46; no. 7; pp. 953 - 956
Main Authors 名倉, 福子, サッキャ, サンディープ, 宮地, 浩太郎, 早川, 直樹, 門岡, 浩介, 鈴木, 洋輝, 神田, 順二, 小寺, 聡, 石脇, 光, 櫛田, 俊一, 佐藤, 奈々恵, 西原, 弘嗣, 佐藤, 寿俊
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2014
日本心臓財団・日本循環器学会
Japan Heart Foundation
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.46.953

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Summary:「はじめに」急性肺血栓塞栓症は肺動脈に血栓が詰まることで起き, 広範囲の塞栓では致死的となる疾患である. 塞栓子の多くは骨盤内や下肢の深部静脈血栓からきており, 深部静脈血栓のリスク因子としては周術期の長期臥床や腫瘍などがある. 肺血栓塞栓症の重症度分類は血圧と心エコー所見からなり, 広範型:ショックあるいは収縮期血圧90mmHg未満あるいは血圧40mmHg以上の血圧低下が15分以上持続するもの, 亜広範型:ショックや40mgHg以上の血圧低下がないが心エコーで右心負荷がある, 非広範型:ショックや40mgHg以上の血圧低下がなく心エコーで右心負荷もない, の3つに分けられる. 致死的な広範型・亜広範型の急性肺血栓塞栓症に対する治療法として, 循環動態を早期に改善する血栓溶解療法はAmerican Heart Associationや日本循環器学会のガイドラインでも推奨されている.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.46.953