肺膿瘍・肝膿瘍を合併したS状結腸癌の1例

症例は57歳,男性.下腹部痛と発熱を主訴に当院を受診した.胸腹部CTにて左肺S8と肝S4の2箇所に膿瘍,S状結腸に壁肥厚が認められ,下部消化管内視鏡検査にて肺膿瘍・肝膿瘍を合併したS状結腸癌(cT3N0M0 Stage IIa)と診断した.肝膿瘍穿刺にてα-streptococcusが検出され,抗菌剤投与により全身状態が改善した後にS状結腸切除術(D3)を施行した.病理組織診断はtub1,pT3N0M0 Stage IIaで,術後補助化学療法は行わずに経過観察中であるが,術後2年経過し膿瘍の再燃や大腸癌の再発は認めていない.今回,肺膿瘍・肝膿瘍を合併した大腸癌の1例を経験したので報告する....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 82; no. 1; pp. 145 - 150
Main Authors 大島, 聡, 武元, 浩新, 廣田, 昌紀, 中塚, 梨絵, 長岡, 慧, 安原, 裕美子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2021
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.82.145

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Summary:症例は57歳,男性.下腹部痛と発熱を主訴に当院を受診した.胸腹部CTにて左肺S8と肝S4の2箇所に膿瘍,S状結腸に壁肥厚が認められ,下部消化管内視鏡検査にて肺膿瘍・肝膿瘍を合併したS状結腸癌(cT3N0M0 Stage IIa)と診断した.肝膿瘍穿刺にてα-streptococcusが検出され,抗菌剤投与により全身状態が改善した後にS状結腸切除術(D3)を施行した.病理組織診断はtub1,pT3N0M0 Stage IIaで,術後補助化学療法は行わずに経過観察中であるが,術後2年経過し膿瘍の再燃や大腸癌の再発は認めていない.今回,肺膿瘍・肝膿瘍を合併した大腸癌の1例を経験したので報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.82.145