聴力改善手術と人工聴覚器医療のconflict

伊藤壽一理事長のご下命により会長講演の機会を賜りますことを大変光栄に存じております. 法人化後の耳科学会において位置付けが曖昧になった「総会」ですが, この講演が会員総会出席者増に少しでも貢献できればと祈念しております. さて, 宮崎での耳科学会開催は1987年(昭和62年)の第15回日本臨床耳科学会(森満保会長)以来, 26年ぶりとなりましたが, 当時, 我が国への導入が始まったばかりの人工内耳医療に対する「期待」と若干の「懐疑感」, 真珠腫手術に対するcanal upかcanal downか血気盛んな「論戦」が行われておりました. 四半世紀を経てこの2大テーマがどのような形で議論されている...

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Published inOtology Japan Vol. 24; no. 2; pp. 89 - 94
Main Author 東野, 哲也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳科学会 2014
日本耳科学会
Japan Otological Society
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ISSN0917-2025
1884-1457
DOI10.11289/otoljpn.24.89

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Summary:伊藤壽一理事長のご下命により会長講演の機会を賜りますことを大変光栄に存じております. 法人化後の耳科学会において位置付けが曖昧になった「総会」ですが, この講演が会員総会出席者増に少しでも貢献できればと祈念しております. さて, 宮崎での耳科学会開催は1987年(昭和62年)の第15回日本臨床耳科学会(森満保会長)以来, 26年ぶりとなりましたが, 当時, 我が国への導入が始まったばかりの人工内耳医療に対する「期待」と若干の「懐疑感」, 真珠腫手術に対するcanal upかcanal downか血気盛んな「論戦」が行われておりました. 四半世紀を経てこの2大テーマがどのような形で議論されているでしょうか. 今や人工内耳は小児から高齢者まで高度難聴例の標準的治療になっており, 本年の残存聴力活用型人工内耳(EAS)の薬事承認で, また新たな段階に入ったと思われます. また, 我が国のリオン型人工中耳に替わって, 骨固定型補聴器(Bahaシステム)や人工中耳のVibrant Soundbridge (VSB)など海外デバイスの導入も加速してきました.
ISSN:0917-2025
1884-1457
DOI:10.11289/otoljpn.24.89