Mesh–plugを用いた腹壁瘢痕ヘルニア修復術19年後に発症した腸管皮膚瘻の1例

腹壁瘢痕ヘルニア修復術後の腸管皮膚瘻は比較的まれな病態であり,修復術後長期間経過後も発症することがある。症例は69歳女性で,腹痛を主訴に来院し,CTで右下腹部腹壁に結腸と連続する軟部陰影を認めた。19年前に腹壁瘢痕ヘルニアに対し,mesh–plugを用いた修復術が施行されていた。メッシュ周囲膿瘍と診断し膿瘍ドレナージを施行した。ドレナージチューブから造影すると結腸が造影されたため,腸管皮膚瘻と診断し手術を施行した。腹壁切除を最小限にする目的で腹腔鏡補助下にメッシュ除去,結腸部分切除,腹壁の単純縫合閉鎖を施行した。術後は感染兆候なく経過は良好で,術後20ヵ月の現在,腹壁ヘルニアの再発も認めていな...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 40; no. 3; pp. 473 - 477
Main Authors 水野, 宏論, 前田, 真吾, 藤野, 雅彦, 永井, 英雅, 三宅, 秀夫, 湯浅, 典博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 31.03.2020
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.40.473

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Summary:腹壁瘢痕ヘルニア修復術後の腸管皮膚瘻は比較的まれな病態であり,修復術後長期間経過後も発症することがある。症例は69歳女性で,腹痛を主訴に来院し,CTで右下腹部腹壁に結腸と連続する軟部陰影を認めた。19年前に腹壁瘢痕ヘルニアに対し,mesh–plugを用いた修復術が施行されていた。メッシュ周囲膿瘍と診断し膿瘍ドレナージを施行した。ドレナージチューブから造影すると結腸が造影されたため,腸管皮膚瘻と診断し手術を施行した。腹壁切除を最小限にする目的で腹腔鏡補助下にメッシュ除去,結腸部分切除,腹壁の単純縫合閉鎖を施行した。術後は感染兆候なく経過は良好で,術後20ヵ月の現在,腹壁ヘルニアの再発も認めていない。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.40.473