脳卒中後上肢麻痺の事例報告における本邦でのロボット療法に関するスコーピングレビュー

本邦において脳卒中後に上肢麻痺を呈した患者に対して活用されている,ロボット療法の使用状況と先行研究のギャップを特定するためにスコーピングレビューを実施した.全148編のうち24編,32名が対象となり,ロボット療法が自主訓練に移行できていない状況や,ロボット療法を実施するにあたって上肢機能評価の一貫性がない結果となった.今後はロボットの使用が訓練内から自主訓練へと移行するために工夫した報告の重要性が示唆された.また,評価尺度の特徴を理解し,使用機器の目的に応じて評価をすることで,ロボット療法における細かな段階付けの一助になることが推測された.しかし,本報告では対象数が少ないため,今後も本邦におい...

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Published in神奈川作業療法研究 Vol. 15; no. 1; pp. 1 - 11
Main Authors 佐藤 光, 高木 崚平, 宇都宮 裕人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 神奈川県作業療法士会 2025
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ISSN2186-0998
2758-0202
DOI10.57293/kanaotjournal.15.1_1

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Summary:本邦において脳卒中後に上肢麻痺を呈した患者に対して活用されている,ロボット療法の使用状況と先行研究のギャップを特定するためにスコーピングレビューを実施した.全148編のうち24編,32名が対象となり,ロボット療法が自主訓練に移行できていない状況や,ロボット療法を実施するにあたって上肢機能評価の一貫性がない結果となった.今後はロボットの使用が訓練内から自主訓練へと移行するために工夫した報告の重要性が示唆された.また,評価尺度の特徴を理解し,使用機器の目的に応じて評価をすることで,ロボット療法における細かな段階付けの一助になることが推測された.しかし,本報告では対象数が少ないため,今後も本邦において報告数の増加や有用性の検討が求められる.
ISSN:2186-0998
2758-0202
DOI:10.57293/kanaotjournal.15.1_1