学童期に発症した大腿骨頭萎縮症の1例
【症例】7歳男児.現病歴:X-24日空手の稽古後に右股関節痛,跛行が出現.その後一時症状改善するもX-11日より症状が再燃・増悪し,X日精査目的に当院整形外科紹介となった.既往歴:雲梯から墜落して腰椎圧迫骨折(5歳時),難聴.初診時現症:荷重時の右股関節の疼痛あり.圧痛点.単純X線で右大腿骨近位端の骨萎縮あり.単純MRIで大腿骨骨頭,頚部,遠位骨幹端に境界不明瞭なT1 low, T2 STIR highの骨髄浮腫像あり,同部位は造影効果あり.一過性大腿骨頭骨萎縮症の診断で右下肢免荷とし,X+4ヶ月パミドロン酸を投与.経過観察を行い疼痛は改善した.【考察】一過性骨萎縮症の代表例である大腿骨頭萎縮...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 73; no. 4; pp. 824 - 827 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
25.09.2024
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Subjects | |
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ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.73.824 |
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Summary: | 【症例】7歳男児.現病歴:X-24日空手の稽古後に右股関節痛,跛行が出現.その後一時症状改善するもX-11日より症状が再燃・増悪し,X日精査目的に当院整形外科紹介となった.既往歴:雲梯から墜落して腰椎圧迫骨折(5歳時),難聴.初診時現症:荷重時の右股関節の疼痛あり.圧痛点.単純X線で右大腿骨近位端の骨萎縮あり.単純MRIで大腿骨骨頭,頚部,遠位骨幹端に境界不明瞭なT1 low, T2 STIR highの骨髄浮腫像あり,同部位は造影効果あり.一過性大腿骨頭骨萎縮症の診断で右下肢免荷とし,X+4ヶ月パミドロン酸を投与.経過観察を行い疼痛は改善した.【考察】一過性骨萎縮症の代表例である大腿骨頭萎縮症は,中高年男性と妊娠女性に多いとされ,学童期の報告は限られている.確立された治療法はなく,負荷を避け,安静にすることで,6-8ヶ月で自然軽快することが多いとされるが,生活に与える影響は大きい.今回経験した,学童期の骨萎縮症の1例について報告する. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.73.824 |