C型慢性肝炎患者の疾患認識に関するアンケート調査結果~C型肝炎ウイルス抗体陽性者に対する病診連携関係の観点から

C型肝炎ウイルス(HCV)抗体陽性の患者・健診受診者1,047例を対象にアンケートを行ない391例の回答を得た.C型肝炎に関する知識の設問では感染を知っていた者は知らなかった者に比して有意に得点が高かった.感染自覚の契機では「他疾患で受診した際」が48.5%と最も多かった.未通院の理由では「治療の必要はないと医師に言われた」が39.2%と最も多かった.啓発活動では「テレビ」が最も知られていた.次に当院と病診連携関係にある医療施設1,160施設を対象にアンケートを行い123例の回答を得た.HCV抗体陽性かつALT,AST異常高値の場合,「direct acting antivirals(DAA)...

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Published in肝臓 Vol. 59; no. 12; pp. 668 - 677
Main Authors 市川, 仁志, 伊藤, 裕幸, 小嶋, 清一郎, 高清水, 眞二, 金子, 元基, 渡辺, 勲史, 永田, 順子, 白井, 孝之, 山路, 葉子, 津田, 真吾
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 20.12.2018
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.59.668

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Summary:C型肝炎ウイルス(HCV)抗体陽性の患者・健診受診者1,047例を対象にアンケートを行ない391例の回答を得た.C型肝炎に関する知識の設問では感染を知っていた者は知らなかった者に比して有意に得点が高かった.感染自覚の契機では「他疾患で受診した際」が48.5%と最も多かった.未通院の理由では「治療の必要はないと医師に言われた」が39.2%と最も多かった.啓発活動では「テレビ」が最も知られていた.次に当院と病診連携関係にある医療施設1,160施設を対象にアンケートを行い123例の回答を得た.HCV抗体陽性かつALT,AST異常高値の場合,「direct acting antivirals(DAA)以外を用いて治療する」が17%,経過観察が6%の施設にみられた.DAAの認知度では「知らなかった」が18%であった.今後当該患者に対する積極的な受診勧奨とさらなる啓発活動が必要であると考えられた.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.59.668