当院の大腿骨近位部骨折症例における骨粗鬆症治療の現状
(はじめに)当院の大腿骨近位部骨折症例において椎体骨折既往の有無を調査し,入院時骨粗鬆症治療介入率および骨密度について検討した.(対象と方法)2022年4月から2023年3月までに当院で手術を行った大腿骨近位部骨折患者55症例を対象とし,入院時骨粗鬆症介入率を調査した.また,椎体骨折の有無で骨密度を比較検討し,椎体骨折あり群のうち,骨粗鬆症治療介入の有無でさらに比較検討した.(結果)入院時骨粗鬆症治療介入率は,椎体骨折あり群で有意に高く,82%がビスホスホネート製剤であった.また,椎体骨折あり群のうち,治療介入にも関わらず介入あり群で骨密度が低い傾向があった.(結論)大腿骨近位部骨折の入院時治...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 73; no. 4; pp. 784 - 787 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
25.09.2024
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Subjects | |
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ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.73.784 |
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Summary: | (はじめに)当院の大腿骨近位部骨折症例において椎体骨折既往の有無を調査し,入院時骨粗鬆症治療介入率および骨密度について検討した.(対象と方法)2022年4月から2023年3月までに当院で手術を行った大腿骨近位部骨折患者55症例を対象とし,入院時骨粗鬆症介入率を調査した.また,椎体骨折の有無で骨密度を比較検討し,椎体骨折あり群のうち,骨粗鬆症治療介入の有無でさらに比較検討した.(結果)入院時骨粗鬆症治療介入率は,椎体骨折あり群で有意に高く,82%がビスホスホネート製剤であった.また,椎体骨折あり群のうち,治療介入にも関わらず介入あり群で骨密度が低い傾向があった.(結論)大腿骨近位部骨折の入院時治療介入率は低く,地域との連携等により介入率および継続率を上げることが重要である.また,低骨密度症例やビスホスホネート製剤による効果不十分な症例に対しては,治療介入時からの骨形成促進薬使用を検討する必要がある. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.73.784 |