術前術後評価および経過観察にエコーが有用であった左椎骨動静脈瘻の1例

「はじめに」 椎骨動静脈瘻は比較的稀な疾患であり, 超音波検査(エコー)の有用性についての報告は, われわれが渉猟し得た限りでは確認できなかった. 今回, 外傷を契機に椎骨動静脈瘻と診断され, 術前, 術後の評価および経過観察にエコーが有用であった1例を経験したので報告する. 本論文発表に関しては, 患者の同意を得ている. 「症例」 患者 : 20代, 女性. 主訴 : 頸部痛, めまい. 既往歴 : なし. 現病歴 : 20XX年6月, チアリーディングの練習中に3mの高さから転落し左後頭部を打撲した. 打撲直後からの, 非拍動性の後頭部痛および回転性のめまいが出現した. 症状の改善がみられ...

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Published inNeurosonology Vol. 37; no. 1; pp. 8 - 12
Main Authors 来住野, 雅, 中山, 晴雄, 藤崎, 純, 藤田, 聡, 長谷川, 碧海, 諸井, 雅男, 岩渕, 聡, 佐々木, 有沙, 髙橋, 奎太, 金子, 南紀子, 林, 盛人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本脳神経超音波学会 2024
日本脳神経超音波学会
Subjects
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ISSN0917-074X
DOI10.2301/neurosonology.37.8

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Summary:「はじめに」 椎骨動静脈瘻は比較的稀な疾患であり, 超音波検査(エコー)の有用性についての報告は, われわれが渉猟し得た限りでは確認できなかった. 今回, 外傷を契機に椎骨動静脈瘻と診断され, 術前, 術後の評価および経過観察にエコーが有用であった1例を経験したので報告する. 本論文発表に関しては, 患者の同意を得ている. 「症例」 患者 : 20代, 女性. 主訴 : 頸部痛, めまい. 既往歴 : なし. 現病歴 : 20XX年6月, チアリーディングの練習中に3mの高さから転落し左後頭部を打撲した. 打撲直後からの, 非拍動性の後頭部痛および回転性のめまいが出現した. 症状の改善がみられないため, 翌日当院脳神経外科外来を受診した. 来院時, 意識は清明であったが, 神経学的所見はmanual muscle test(MMT)左上肢4/5, 左下肢4/5の麻痺がみられ, 歩行時にふらつきがみられたため, 精査加療目的にて入院となった. 頭部CT/MRI検査所見 : 頭蓋内に明らかな出血や梗塞は認めず, 頭蓋骨に骨折は認めなかった.
ISSN:0917-074X
DOI:10.2301/neurosonology.37.8