専門医の直接介入による内服薬などのB型肝炎再活性化予防のためのリスクマネジメント

2009年に免疫抑制・化学療法により発症するB型肝炎再活性化対策ガイドラインが発表され,再活性化対策が周知されるようになったものの,現在なお完全には対応できていない.当院では内服薬などは担当医のみが対応する状況で対策を急ぐ必要があり,専門医が直接介入することで再活性化を予防する取り組みを行った.2021年4月から1年間,新規に対象薬剤が処方された2,348人に対し,担当医などの協力を得て必要とされる症例ほぼ全例でスクリーニング検査を施行することができた.この取り組みについてのアンケート調査では好意的な反応が大半を占めたが,今後の改良については検討が必要と考えられた.専門医の努力を要する部分はあ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in肝臓 Vol. 63; no. 10; pp. 445 - 455
Main Author 荒木, 眞裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 01.10.2022
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.63.445

Cover

More Information
Summary:2009年に免疫抑制・化学療法により発症するB型肝炎再活性化対策ガイドラインが発表され,再活性化対策が周知されるようになったものの,現在なお完全には対応できていない.当院では内服薬などは担当医のみが対応する状況で対策を急ぐ必要があり,専門医が直接介入することで再活性化を予防する取り組みを行った.2021年4月から1年間,新規に対象薬剤が処方された2,348人に対し,担当医などの協力を得て必要とされる症例ほぼ全例でスクリーニング検査を施行することができた.この取り組みについてのアンケート調査では好意的な反応が大半を占めたが,今後の改良については検討が必要と考えられた.専門医の努力を要する部分はあるものの,スクリーニング遵守率を高くすることで,無理なく多職種連携体制への移行が図れると考えた.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.63.445