A-5. 多発空洞性病変に感染を合併した慢性血栓塞栓性肺高血圧症 (CTEPH) の1例
「はじめに」多発性肺空洞性病変をきたす疾患としては, 感染性, 膠原病性, 腫瘍性, 外傷性などがよく知られているが, 肺血栓塞栓症も肺空洞性病変をもたらす疾患の一つである. 今回われわれは, 慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)に感染を合併した多発性肺空洞性病変症例を経験したため報告する. 「症例」患者:40歳代 女性. 主訴:呼吸苦. 現病歴:今まで検診を受けたことがほとんどなく, 病院受診歴もほぼない40歳代女性. 約半年前から労作時の息切れを感じていた. 2週間前から食欲低下と外出できないほどの呼吸苦を自覚した. 2日前より起座呼吸も認め, 臥位での咳嗽と赤褐色の喀痰が出現した. 症...
Saved in:
Published in | Shinzo Vol. 46; no. 7; pp. 961 - 964 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
2014
日本心臓財団・日本循環器学会 Japan Heart Foundation |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo.46.961 |
Cover
Summary: | 「はじめに」多発性肺空洞性病変をきたす疾患としては, 感染性, 膠原病性, 腫瘍性, 外傷性などがよく知られているが, 肺血栓塞栓症も肺空洞性病変をもたらす疾患の一つである. 今回われわれは, 慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)に感染を合併した多発性肺空洞性病変症例を経験したため報告する. 「症例」患者:40歳代 女性. 主訴:呼吸苦. 現病歴:今まで検診を受けたことがほとんどなく, 病院受診歴もほぼない40歳代女性. 約半年前から労作時の息切れを感じていた. 2週間前から食欲低下と外出できないほどの呼吸苦を自覚した. 2日前より起座呼吸も認め, 臥位での咳嗽と赤褐色の喀痰が出現した. 症状改善しないため, 当院受診となった. 既往歴:特記すべきものなし, 妊娠歴なし. 現症:身長148.2cm, 体重49.9kg, 血圧149/91mmHg, 心拍数111bpm, 体温36.5℃, 呼吸数40/min, SpO2 90%(room air), 努力様呼吸, 呼吸音;左下肺野でcoarse crackles聴取, 心音;明らかな心雑音なし, 下肢;両側下腿浮腫著明. |
---|---|
ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.46.961 |