大腿骨の前捻角に関する検討
緒言:大腿骨前捻角に関してTHAにおける脱臼影響因子の1つとして多くの報告があるが,膝関節に与える影響を検討した報告は少ない.目的:大腿骨前捻角と膝回旋角の相関有無,膝回旋によりPF関節の変性が起こるかを検討した.方法:両股関節から膝関節までのCTを撮像した154股(男性34女性120,平均年齢72歳)を対象とした.変形性股関節症(OA)84股,大腿骨頭壊死症16股,頚部骨折54股であった.水平断で前捻角と回旋角を測定,PF関節の変性(PFOA)についても検討した.結果:前捻角は平均16.6°,年齢は頚部骨折が有意に高く,性別はOAが有意に女性に多く,前捻角と回旋角には弱い負の相関(前捻が強く...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 73; no. 4; pp. 700 - 703 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
25.09.2024
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Subjects | |
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ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.73.700 |
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Summary: | 緒言:大腿骨前捻角に関してTHAにおける脱臼影響因子の1つとして多くの報告があるが,膝関節に与える影響を検討した報告は少ない.目的:大腿骨前捻角と膝回旋角の相関有無,膝回旋によりPF関節の変性が起こるかを検討した.方法:両股関節から膝関節までのCTを撮像した154股(男性34女性120,平均年齢72歳)を対象とした.変形性股関節症(OA)84股,大腿骨頭壊死症16股,頚部骨折54股であった.水平断で前捻角と回旋角を測定,PF関節の変性(PFOA)についても検討した.結果:前捻角は平均16.6°,年齢は頚部骨折が有意に高く,性別はOAが有意に女性に多く,前捻角と回旋角には弱い負の相関(前捻が強くなれば膝は内旋)を認めた.一方,回旋とPFOAに有意な関連は認めなかった.考察:過去の報告では,回旋が強いとPF接触圧が高まるとされ,症例数を増やして更なる検討が必要と考える.結語:大腿骨前捻角と回旋角について調査した.前捻角と回旋角には弱い負の相関を認めた. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.73.700 |