経カテーテル的動脈塞栓術で止血した外傷性副脾損傷の1例
非常にまれな外傷性副脾損傷による腹腔内出血を経カテーテル的動脈塞栓術(以下,TAE)で止血した1例を経験したので報告する。症例は15歳,男性。サッカーの試合中に相手選手と交錯した後より腹痛を自覚し,近医で施行した腹部造影CTで脾損傷による腹腔内出血が疑われ当院搬送となった。腹部造影CTでは脾臓の尾側の副脾周囲に造影剤の漏出を認め,副脾損傷を疑い血管造影を行った。脾動脈から副脾への分枝から造影剤漏出を認め,n-butyl-2-cyanoacrylate-lipiodol混和液で同血管を塞栓し止血した。TAE後は経過良好で塞栓術後6日目に紹介医へ転院した。外傷性副脾損傷の報告は非常に少なく,治療の...
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| Published in | Nihon Fukubu Kyukyu Igakkai Zasshi (Journal of Abdominal Emergency Medicine) Vol. 38; no. 1; pp. 045 - 048 |
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| Main Authors | , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本腹部救急医学会
31.01.2018
Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1340-2242 1882-4781 |
| DOI | 10.11231/jaem.38.045 |
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| Summary: | 非常にまれな外傷性副脾損傷による腹腔内出血を経カテーテル的動脈塞栓術(以下,TAE)で止血した1例を経験したので報告する。症例は15歳,男性。サッカーの試合中に相手選手と交錯した後より腹痛を自覚し,近医で施行した腹部造影CTで脾損傷による腹腔内出血が疑われ当院搬送となった。腹部造影CTでは脾臓の尾側の副脾周囲に造影剤の漏出を認め,副脾損傷を疑い血管造影を行った。脾動脈から副脾への分枝から造影剤漏出を認め,n-butyl-2-cyanoacrylate-lipiodol混和液で同血管を塞栓し止血した。TAE後は経過良好で塞栓術後6日目に紹介医へ転院した。外傷性副脾損傷の報告は非常に少なく,治療のコンセンサスも得られていない。過去の報告ではほとんどが開腹術を行っているが,自験例ではTAEを選択した。低侵襲かつ迅速に止血が得られ,有用な治療法と考えられた。 |
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| ISSN: | 1340-2242 1882-4781 |
| DOI: | 10.11231/jaem.38.045 |