犬の特発性てんかんに対するドコサヘキサエン酸の投与

ドコサヘキサエン酸(DHA)に抗てんかん作用がある可能性が注目されている。本 研究では、犬の特発性てんかんに対するDHAの作用を明らかにするために臨床試験をおこなった。既存の抗てんかん薬で治療中の特発性てんかんの犬5頭にDHAを投薬した。このうち6ヶ月の試験期間を完了した3頭とも、投与開始から2~3ヶ月後には50%以上の発作回数の減少が認められ、5~6ヶ月後は1ヶ月に0~1回に減少した。すべての症例で一般状態や血液検査項目に明確な有害事象を認めなかった。症例数が少なかったこと、無作為化比較試験ではなかったことから評価は限定的ではあるが、DHAが犬の特発性てんかんに有用な可能性が示された。...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inJournal of Pet Animal Nutrition Vol. 24; no. 2; pp. S10 - S12
Main Authors 三澤, 嘉久, 松宮, 佑樹, 茂木, 朋貴, 米澤, 智洋, 桃井, 康行, 藤原, 夏樹, 前田, 真吾
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ペット栄養学会 10.10.2021
Japanese Society of Pet Animal Nutrition
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1344-3763
2185-7601
DOI10.11266/jpan.24.2_S10

Cover

More Information
Summary:ドコサヘキサエン酸(DHA)に抗てんかん作用がある可能性が注目されている。本 研究では、犬の特発性てんかんに対するDHAの作用を明らかにするために臨床試験をおこなった。既存の抗てんかん薬で治療中の特発性てんかんの犬5頭にDHAを投薬した。このうち6ヶ月の試験期間を完了した3頭とも、投与開始から2~3ヶ月後には50%以上の発作回数の減少が認められ、5~6ヶ月後は1ヶ月に0~1回に減少した。すべての症例で一般状態や血液検査項目に明確な有害事象を認めなかった。症例数が少なかったこと、無作為化比較試験ではなかったことから評価は限定的ではあるが、DHAが犬の特発性てんかんに有用な可能性が示された。
ISSN:1344-3763
2185-7601
DOI:10.11266/jpan.24.2_S10