一部に血管内乳頭状内皮細胞過形成の所見を伴った血管拡張性肉芽腫 ~ダーモスコピーで診断が困難だった1例

80歳,男性の左頬部に生じた黒青色の結節.1年の経過で7ミリ大まで拡大し皮膚癌を心配して受診した.臨床症状・ダーモスコピー所見からは結節型メラノーマ・基底細胞癌・青色母斑を疑った.再診時には結節はつぶれていたため,基底細胞癌・血管腫を疑い生検した.病理組織学的所見は,一部に血管内乳頭状内皮細胞過形成(IPEH)の所見を伴った血管拡張性肉芽腫であった.通常,血管拡張性肉芽腫はダーモスコピーでは鮮紅色から暗赤色を示す.IPEHにより血栓の再疎通が繰り返されたため黒青色を示したと考えられた.黒青色の病変は積極的な生検が必要と思われる....

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Published in日本臨床皮膚科医会雑誌 Vol. 34; no. 4; pp. 468 - 472
Main Authors 佐藤, 俊次, 坪井, 良治, 原田, 和俊
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床皮膚科医会 2017
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ISSN1349-7758
1882-272X
DOI10.3812/jocd.34.468

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Summary:80歳,男性の左頬部に生じた黒青色の結節.1年の経過で7ミリ大まで拡大し皮膚癌を心配して受診した.臨床症状・ダーモスコピー所見からは結節型メラノーマ・基底細胞癌・青色母斑を疑った.再診時には結節はつぶれていたため,基底細胞癌・血管腫を疑い生検した.病理組織学的所見は,一部に血管内乳頭状内皮細胞過形成(IPEH)の所見を伴った血管拡張性肉芽腫であった.通常,血管拡張性肉芽腫はダーモスコピーでは鮮紅色から暗赤色を示す.IPEHにより血栓の再疎通が繰り返されたため黒青色を示したと考えられた.黒青色の病変は積極的な生検が必要と思われる.
ISSN:1349-7758
1882-272X
DOI:10.3812/jocd.34.468