低充填量閉鎖型回路の作製と検討

【要旨】低充填量の人工心肺回路の作製は各施設で工夫されているが,開放型回路では,貯血槽に最低貯血量の保持が必要で,充填量削減には限界がある。そこで今回我々は,貯血量を零にした閉鎖型の低充填量回路を作製し検討したので報告する。作製した閉鎖型回路は,静脈血が直接遠心ポンプへ流入する方式で,貯血槽と体外循環回路の間を遮断し,レベルを零とした。また,脱血回路の径を3/8インチとし,人工肺をベットと同じ位置にし,回路の長さを大幅に短縮した。この作製した回路を臨床使用した結果,充填量が780mlとなり,血流量の調節のみで体外循環操作が行え,安全で特別な技術を要せず容易に行えた。また,落差脱血用カニューレよ...

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Published in体外循環技術 Vol. 28; no. 4; pp. 34 - 37
Main Authors 佐藤, 正暢, 杉山, 賢司, 武田, 正則, 石井, 和行, 小林, 史枝, 渡邊, 猛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本体外循環技術医学会 2001
日本体外循環技術研究会
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ISSN0912-2664
1884-5452
DOI10.7130/hokkaidoshakai.28.4_34

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Summary:【要旨】低充填量の人工心肺回路の作製は各施設で工夫されているが,開放型回路では,貯血槽に最低貯血量の保持が必要で,充填量削減には限界がある。そこで今回我々は,貯血量を零にした閉鎖型の低充填量回路を作製し検討したので報告する。作製した閉鎖型回路は,静脈血が直接遠心ポンプへ流入する方式で,貯血槽と体外循環回路の間を遮断し,レベルを零とした。また,脱血回路の径を3/8インチとし,人工肺をベットと同じ位置にし,回路の長さを大幅に短縮した。この作製した回路を臨床使用した結果,充填量が780mlとなり,血流量の調節のみで体外循環操作が行え,安全で特別な技術を要せず容易に行えた。また,落差脱血用カニューレより細い径を使用しても,脱血回路内圧が-30~-50mmHg以下であれば,至適灌流量を維持できた。これにより,低侵襲手術などにも対応でき有用な回路と考える。
ISSN:0912-2664
1884-5452
DOI:10.7130/hokkaidoshakai.28.4_34