弓部大動脈置換術における選択的脳分離体外循環法の有用性に関する検討
【要旨】弓部大動脈人工血管置換術に対する脳分離体外循環法として,選択的脳灌流法,逆行性脳灌流法などがある。当院では選択的脳灌流法を用いているが,今回その有用性について報告する。2002年3月から2005年3月までに行った弓部大動脈人工血管置換術に対し,選択的脳灌流法を用いた57症例を対象とした。高齢者など各所臓器機能の低下している症例が増加しており,血管拡張剤を併用しながら可能な限り末梢循環を維持した状態で体外循環を開始した。また,下肢循環停止直前にチオペンタール酸ナトリウム(ラボナール)500mgを脳保護目的で投与した。脳分離は遠心ポンプ(腕頭動脈)および2ローラー2分枝送血(左総頚・左鎖骨...
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          | Published in | 体外循環技術 Vol. 33; no. 1; pp. 60 - 62 | 
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| Main Authors | , , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            一般社団法人 日本体外循環技術医学会
    
        2006
     日本体外循環技術医学会  | 
| Subjects | |
| Online Access | Get full text | 
| ISSN | 0912-2664 1884-5452  | 
| DOI | 10.7130/hokkaidoshakai.33.60 | 
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| Summary: | 【要旨】弓部大動脈人工血管置換術に対する脳分離体外循環法として,選択的脳灌流法,逆行性脳灌流法などがある。当院では選択的脳灌流法を用いているが,今回その有用性について報告する。2002年3月から2005年3月までに行った弓部大動脈人工血管置換術に対し,選択的脳灌流法を用いた57症例を対象とした。高齢者など各所臓器機能の低下している症例が増加しており,血管拡張剤を併用しながら可能な限り末梢循環を維持した状態で体外循環を開始した。また,下肢循環停止直前にチオペンタール酸ナトリウム(ラボナール)500mgを脳保護目的で投与した。脳分離は遠心ポンプ(腕頭動脈)および2ローラー2分枝送血(左総頚・左鎖骨下動脈)とし,15mL/min/kgを目標に送血を行った。また,灌流圧を30mmHg~50mmHgの範囲でコントロールした。結果,術後選択的脳灌流法に伴う重篤な合併症は見られず,良好な結果であった。 | 
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| ISSN: | 0912-2664 1884-5452  | 
| DOI: | 10.7130/hokkaidoshakai.33.60 |