ミニプレート固定を併用した下顎枝矢状分割術の臨床的検討
「緒言」顎矯正手術における下顎枝矢状分割術(以下, SSRO)は, 他の術式と比較し多くの利点を有することから現在最も汎用されている術式である. 鶴見大学歯学部口腔外科学第一講座(以下, 当科)では1982年より下顎枝矢状分割術にネジ止め固定を行ってきたが1), ネジ止め固定は後戻りが少なく, 顎間固定期間が短縮されるなどの利点があるものの2), トローカー挿入の際, 皮膚切開を必要とし, 強固なネジ止めは顎関節への悪影響や骨貫通ネジによる下歯槽神経血管束への直接あるいは間接的な侵襲の可能性等の問題が指摘されていた3, 4). そこで当科ではこれらの問題点を改善すべく1998年よりそれまでのネ...
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Published in | 日本顎変形症学会雑誌 Vol. 14; no. 3; pp. 180 - 185 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本顎変形症学会
2004
日本顎変形症学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0916-7048 1884-5045 |
DOI | 10.5927/jjjd1991.14.180 |
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Summary: | 「緒言」顎矯正手術における下顎枝矢状分割術(以下, SSRO)は, 他の術式と比較し多くの利点を有することから現在最も汎用されている術式である. 鶴見大学歯学部口腔外科学第一講座(以下, 当科)では1982年より下顎枝矢状分割術にネジ止め固定を行ってきたが1), ネジ止め固定は後戻りが少なく, 顎間固定期間が短縮されるなどの利点があるものの2), トローカー挿入の際, 皮膚切開を必要とし, 強固なネジ止めは顎関節への悪影響や骨貫通ネジによる下歯槽神経血管束への直接あるいは間接的な侵襲の可能性等の問題が指摘されていた3, 4). そこで当科ではこれらの問題点を改善すべく1998年よりそれまでのネジ止め固定からミニプレート固定に変更している. 本研究の目的は, ミニプレート固定を用い術後1年以上経過した症例について臨床的検討を行い, その有用性について検討することにある. 対象および方法 対象は, 当科でSSRO(Obwegeser-DalPont変法)による下顎後退術を施行し術後1年までの資料の揃っている40例で, 骨片の固定には日本ストライカー社製L字型ミニプレートを片側に1枚使用し, 近位骨片の復位は徒手による可及的復位法を用い, 顎間固定は7日間行った. 性別は男性20名, 女性20名で, 手術時平均年齢は25.0±6.52歳(男性26.5±7.30歳, 女性23.5±5.40歳)であった. |
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ISSN: | 0916-7048 1884-5045 |
DOI: | 10.5927/jjjd1991.14.180 |