剖検により診断された高齢発症の赤芽球性プロトポルフィリン症の1例
症例は71歳,男性.近医で日光過敏症と診断後,肝障害を伴い,抗核抗体陽性,IgG高値と肝生検により自己免疫性肝炎と診断された.プレドニゾロン(prednisolone:PSL)療法が無効で,免疫抑制剤であるアザチオプリン(azathioprine:AZA),シクロスポリン(cyclosporine:CYA)を併用したが,効果を認めず,第93病日に肝不全で死亡した.病理解剖を実施し,肝組織内にプロトポルフィリン沈着を認め,赤芽球性プロトポルフィリン症(Erythropoietic protoporphyria:EPP)と診断した.生前時は自己免疫性肝炎と診断されたが,剖検により高齢発症のEPPと...
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Published in | 肝臓 Vol. 64; no. 5; pp. 235 - 242 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本肝臓学会
01.05.2023
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Subjects | |
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ISSN | 0451-4203 1881-3593 |
DOI | 10.2957/kanzo.64.235 |
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Summary: | 症例は71歳,男性.近医で日光過敏症と診断後,肝障害を伴い,抗核抗体陽性,IgG高値と肝生検により自己免疫性肝炎と診断された.プレドニゾロン(prednisolone:PSL)療法が無効で,免疫抑制剤であるアザチオプリン(azathioprine:AZA),シクロスポリン(cyclosporine:CYA)を併用したが,効果を認めず,第93病日に肝不全で死亡した.病理解剖を実施し,肝組織内にプロトポルフィリン沈着を認め,赤芽球性プロトポルフィリン症(Erythropoietic protoporphyria:EPP)と診断した.生前時は自己免疫性肝炎と診断されたが,剖検により高齢発症のEPPと診断された肝不全の1例を経験したので報告する. |
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ISSN: | 0451-4203 1881-3593 |
DOI: | 10.2957/kanzo.64.235 |