横行結腸巨大憩室炎の1例
保存的治療で改善せず腹腔鏡手術を行った横行結腸巨大憩室炎の1例を経験した。【症例】74歳男性。発熱,腹痛を主訴に来院。来院時,体温37.7℃,臍右側に圧痛を伴う腫瘤を触知した。血液検査では白血球数17,200/mm3,CRP 29.3mg/dLと上昇を認めた。腹部造影CT検査では横行結腸中央部に70mm大の巨大憩室を認めた。憩室壁は肥厚し周囲脂肪織の炎症を反映した被膜様構造を認めたが,腹水や遊離ガス像は認めなかった。横行結腸巨大憩室炎の診断で入院,抗生剤投与を開始後も腹部症状が持続したため,入院3日目に腹腔鏡下横行結腸部分切除術を行った。切除標本では憩室は横行結腸の腸間膜対側に開口しており,病...
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Published in | 日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 41; no. 1; pp. 29 - 32 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本腹部救急医学会
31.01.2021
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Subjects | |
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ISSN | 1340-2242 1882-4781 |
DOI | 10.11231/jaem.41.1_29 |
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Summary: | 保存的治療で改善せず腹腔鏡手術を行った横行結腸巨大憩室炎の1例を経験した。【症例】74歳男性。発熱,腹痛を主訴に来院。来院時,体温37.7℃,臍右側に圧痛を伴う腫瘤を触知した。血液検査では白血球数17,200/mm3,CRP 29.3mg/dLと上昇を認めた。腹部造影CT検査では横行結腸中央部に70mm大の巨大憩室を認めた。憩室壁は肥厚し周囲脂肪織の炎症を反映した被膜様構造を認めたが,腹水や遊離ガス像は認めなかった。横行結腸巨大憩室炎の診断で入院,抗生剤投与を開始後も腹部症状が持続したため,入院3日目に腹腔鏡下横行結腸部分切除術を行った。切除標本では憩室は横行結腸の腸間膜対側に開口しており,病理組織学的検査では高度の炎症を伴った仮性憩室と診断された。【結語】巨大結腸憩室は憩室炎や穿孔をきたす可能性があり,診断がついた時点で外科的切除を行うことも選択肢の1つになり得る。 |
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ISSN: | 1340-2242 1882-4781 |
DOI: | 10.11231/jaem.41.1_29 |