12年の経過で症状が出現し腹腔鏡下手術を行った左上腰ヘルニアの1例

症例は53歳,女性.左腰部違和感・膨隆のためMRIを撮像し,左上腰ヘルニアの診断となった.12年前のCTを後方視的に確認すると,同部位にヘルニア門を認めた.経時的に増大傾向を認め,有症状のため手術適応と考えた.手術は右半側臥位,3ポートで行った.下行結腸外側より腹膜切開を開始し,左腎背側に回るように剥離を進めた.腹横筋腱膜を確認し,内側に剥離を進め上腰三角に到達した.1.5cmのヘルニア門を確認し,腸骨下腹神経を損傷しないようにタッカーでメッシュを固定して手術を終了とした.術後4日目に軽快退院となった.本症例は12年前無症状であり,CTで指摘されていなかった.上腰ヘルニアの診断は無症状時難しい...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 84; no. 8; pp. 1338 - 1343
Main Authors 渡邉, 昌也, 金本, 秀行, 徳田, 智史, 大端, 考, 大島, 健志, 大場, 範行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2023
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.84.1338

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Summary:症例は53歳,女性.左腰部違和感・膨隆のためMRIを撮像し,左上腰ヘルニアの診断となった.12年前のCTを後方視的に確認すると,同部位にヘルニア門を認めた.経時的に増大傾向を認め,有症状のため手術適応と考えた.手術は右半側臥位,3ポートで行った.下行結腸外側より腹膜切開を開始し,左腎背側に回るように剥離を進めた.腹横筋腱膜を確認し,内側に剥離を進め上腰三角に到達した.1.5cmのヘルニア門を確認し,腸骨下腹神経を損傷しないようにタッカーでメッシュを固定して手術を終了とした.術後4日目に軽快退院となった.本症例は12年前無症状であり,CTで指摘されていなかった.上腰ヘルニアの診断は無症状時難しいが,偶発的に診断された場合はできるだけ早く手術することが望ましいと考える.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.84.1338