ラバーソフト毛を有する新規電子歯ブラシのプラーク除去効果について:クロスオーバー試験

目的:プラークコントロールは歯科疾患の予防・治療において最も重要な要素であり,患者自身のブラッシングによるセルフケアは重要な役割を担っている.近年開発された電子歯ブラシは,イオン作用によりプラーク除去効率が向上することが期待されている.本研究は,クロスオーバー試験にてラバーソフト毛を有した新規電子歯ブラシのプラーク除去効果を評価することを目的とした. 対象と方法:全身的に健康で歯周病を有さない被験者30名を対象とし,実験群の電子歯ブラシ,対照群の一般的な歯ブラシの2種類のうち,いずれかを無作為に割り当て,ランダム化クロスオーバー試験を実施した.2週後,別の歯ブラシを使用し,すべての被験者で同じ...

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Published in日本歯科保存学雑誌 Vol. 64; no. 5; pp. 339 - 347
Main Authors 落合, 茜, 武田, 浩平, 水谷, 幸嗣, 池田, 裕一, 三神, 亮, 和泉, 雄一, 須藤, 毅顕, 岩田, 隆紀, 木内, 佑実音, 岡田, 宗大, 井川, 貴博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯科保存学会 31.10.2021
日本歯科保存学会
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ISSN0387-2343
2188-0808
DOI10.11471/shikahozon.64.339

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Summary:目的:プラークコントロールは歯科疾患の予防・治療において最も重要な要素であり,患者自身のブラッシングによるセルフケアは重要な役割を担っている.近年開発された電子歯ブラシは,イオン作用によりプラーク除去効率が向上することが期待されている.本研究は,クロスオーバー試験にてラバーソフト毛を有した新規電子歯ブラシのプラーク除去効果を評価することを目的とした. 対象と方法:全身的に健康で歯周病を有さない被験者30名を対象とし,実験群の電子歯ブラシ,対照群の一般的な歯ブラシの2種類のうち,いずれかを無作為に割り当て,ランダム化クロスオーバー試験を実施した.2週後,別の歯ブラシを使用し,すべての被験者で同じ検査を繰り返した.術前後に撮影した口腔内写真を基に,中切歯,第一小臼歯,第一大臼歯におけるプラーク除去率を算出した.また患者の主観的指標として,歯ブラシの使用感に対するアンケート調査を実施した. 結果:プラーク除去率において,中切歯,第一小臼歯で電子歯ブラシを使用した群が有意に高かった.またアンケート結果から,本研究で使用した電子歯ブラシは「ブラッシング後の爽快感」「磨きやすさ」「毛先の当たり心地」「歯面の滑沢感の継続」に関する項目において,対照群に比べ有意に良好な結果を示した. 結論:ラバーソフト毛を有した新規電子歯ブラシは中切歯,第一小臼歯のプラーク除去率において効果的であることが示唆された.
ISSN:0387-2343
2188-0808
DOI:10.11471/shikahozon.64.339