腸間膜リンパ節に発生した濾胞樹状細胞肉腫の1例

濾胞樹状細胞肉腫は,濾胞樹状細胞に由来する稀な腫瘍である.症例は69歳,女性.右季肋部痛の精査で施行された腹部造影CTで,十二指腸水平脚に広く接する境界明瞭な6×6cm大の腫瘤を認めた.十二指腸由来の消化管間質腫瘍,腸間膜由来の神経原生腫瘍,膵鉤部から発生した神経内分泌腫瘍などを疑い,腫瘍摘出術を施行した.腫瘍は小腸間膜に存在していた.病理組織学的所見ではリンパ節内に類円形から短紡錘形細胞が胞巣状,びまん性に増生していた.免疫組織化学染色で腫瘍細胞はCD21・CD23・CD35陽性,多形性の強い細胞の部分ではD2-40も陽性であり,腸間膜リンパ節に発生した濾胞樹状細胞肉腫と診断された.術後8年...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 84; no. 8; pp. 1227 - 1231
Main Authors 鄭, 暁剛, 重松, 和人, 中﨑, 隆行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2023
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.84.1227

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Summary:濾胞樹状細胞肉腫は,濾胞樹状細胞に由来する稀な腫瘍である.症例は69歳,女性.右季肋部痛の精査で施行された腹部造影CTで,十二指腸水平脚に広く接する境界明瞭な6×6cm大の腫瘤を認めた.十二指腸由来の消化管間質腫瘍,腸間膜由来の神経原生腫瘍,膵鉤部から発生した神経内分泌腫瘍などを疑い,腫瘍摘出術を施行した.腫瘍は小腸間膜に存在していた.病理組織学的所見ではリンパ節内に類円形から短紡錘形細胞が胞巣状,びまん性に増生していた.免疫組織化学染色で腫瘍細胞はCD21・CD23・CD35陽性,多形性の強い細胞の部分ではD2-40も陽性であり,腸間膜リンパ節に発生した濾胞樹状細胞肉腫と診断された.術後8年経過し,無再発生存中である.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.84.1227