腹腔鏡下結腸切除により排便異常と腹痛が改善した総腸間膜症の1例

症例は51歳の女性で,突然の腹痛を主訴に救急搬送され,S状結腸軸捻の診断で内視鏡下整復を施行した.精査にて,S状結腸軸捻の原因は総腸間膜症に伴う結腸過長症の診断となった.若年期より難治性の便秘を認め腹痛を繰り返していたことから,本人の希望にて腹腔鏡補助下結腸切除および予防的虫垂切除を施行した.術後,長年にわたり患者を苦しめていた慢性便秘および繰り返す腹痛は消失し,患者quality of life(以下QOL)は劇的に改善を認めた.幼少期からの難治性便秘の原因として総腸間膜症を鑑別におくことは重要であり,画像にて総腸間膜症の診断がついた場合には,外科的治療も選択肢として有用であると考えられた....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 84; no. 8; pp. 1277 - 1281
Main Authors 横田, 哲生, 高原, 善博, 宇野, 秀彦, 郷地, 英二, 西田, 孝宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2023
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.84.1277

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Summary:症例は51歳の女性で,突然の腹痛を主訴に救急搬送され,S状結腸軸捻の診断で内視鏡下整復を施行した.精査にて,S状結腸軸捻の原因は総腸間膜症に伴う結腸過長症の診断となった.若年期より難治性の便秘を認め腹痛を繰り返していたことから,本人の希望にて腹腔鏡補助下結腸切除および予防的虫垂切除を施行した.術後,長年にわたり患者を苦しめていた慢性便秘および繰り返す腹痛は消失し,患者quality of life(以下QOL)は劇的に改善を認めた.幼少期からの難治性便秘の原因として総腸間膜症を鑑別におくことは重要であり,画像にて総腸間膜症の診断がついた場合には,外科的治療も選択肢として有用であると考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.84.1277