剣状突起下からロボット支援下に切除した,左肺に穿通した成熟奇形腫の1例

症例は20歳,女性.左前胸部痛と発熱を主訴に近医を受診し,胸部X線写真上,左肺門部の突出を指摘され,胸部CTで前縦隔腫瘍と腫瘍に接した左肺上葉の肺炎像を指摘された.抗菌薬で肺炎治療した後,ロボット支援下剣状突起下アプローチで前縦隔腫瘍摘出術+左肺上葉部分合併切除術を行った.病理検査の結果,左上葉へ穿通した成熟奇形腫であった.左肺へ穿通した縦隔成熟奇形腫に対し,ロボット支援下剣状突起下アプローチに手術を完遂した.合併症なく,術後3日目で退院となった.縦隔腫瘍が穿通した症例であっても症例によってはロボットの多関節で精緻な操作性により,内視鏡下で手術を完遂できることが示唆された....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 84; no. 9; pp. 1424 - 1429
Main Authors 羽田, 裕司, 中埜, 友晴, 横田, 圭右, 奥田, 勝裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2023
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.84.1424

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Summary:症例は20歳,女性.左前胸部痛と発熱を主訴に近医を受診し,胸部X線写真上,左肺門部の突出を指摘され,胸部CTで前縦隔腫瘍と腫瘍に接した左肺上葉の肺炎像を指摘された.抗菌薬で肺炎治療した後,ロボット支援下剣状突起下アプローチで前縦隔腫瘍摘出術+左肺上葉部分合併切除術を行った.病理検査の結果,左上葉へ穿通した成熟奇形腫であった.左肺へ穿通した縦隔成熟奇形腫に対し,ロボット支援下剣状突起下アプローチに手術を完遂した.合併症なく,術後3日目で退院となった.縦隔腫瘍が穿通した症例であっても症例によってはロボットの多関節で精緻な操作性により,内視鏡下で手術を完遂できることが示唆された.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.84.1424