サブジェノタイプ1bのC型慢性肝炎及びC型代償性肝硬変患者に対するオムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル配合錠の特定使用成績調査:国内臨床試験長期追跡調査

オムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル配合剤(以下;本剤)の特定使用成績調査を実施し,インターフェロンフリー直接作用型抗ウイルス薬治療後の持続性ウイルス学的著効(SVR)維持と肝発癌状況を調査した.本剤第II相又は第III相臨床試験の後観察期間(48週)を完了したサブジェノタイプ1bのC型慢性肝炎およびC型代償性肝硬変患者を対象に,4年間追跡調査した.330例の有効性解析対象症例のうち,後観察期間を合わせた5年間のSVR維持率は100%であった.5年間に10例で肝発癌が報告され,累積発癌割合(95%CI)は3.2%(1.73-5.87)で,SVR12達成例で未達成例に比べ有意に低かった.安...

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Published in肝臓 Vol. 63; no. 7; pp. 319 - 334
Main Authors 川名, 克芳, 島上, 哲朗, 佐久間, 龍太, 黄地, 薫, 熊田, 博光, 持田, 智
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 01.07.2022
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.63.319

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Summary:オムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル配合剤(以下;本剤)の特定使用成績調査を実施し,インターフェロンフリー直接作用型抗ウイルス薬治療後の持続性ウイルス学的著効(SVR)維持と肝発癌状況を調査した.本剤第II相又は第III相臨床試験の後観察期間(48週)を完了したサブジェノタイプ1bのC型慢性肝炎およびC型代償性肝硬変患者を対象に,4年間追跡調査した.330例の有効性解析対象症例のうち,後観察期間を合わせた5年間のSVR維持率は100%であった.5年間に10例で肝発癌が報告され,累積発癌割合(95%CI)は3.2%(1.73-5.87)で,SVR12達成例で未達成例に比べ有意に低かった.安全性解析対象症例334例中,25例(7.5%)に重篤な有害事象が認められた.本研究により,本剤治療後5年間にわたりSVRが維持され,SVR12達成により肝発癌が低下することが示唆された.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.63.319