縦隔膿瘍の治療に難渋し両側開胸手術を行った感染性縦隔嚢胞の1例

患者は75歳,男性.2019年12月に前胸部痛にて受診し,胸部造影CTで中縦隔嚢胞の感染が疑われ,緊急手術を行った.胸腔鏡下に膿瘍の切開排膿を行ったが,術後5日目に感染が再燃し,術後12日目に両側開胸で再手術を行った.二度目の手術後の経過は良好で,再手術後25日目に退院となった.縦隔嚢胞性疾患は多くの場合無症状で経過するが,感染を合併した場合は縦隔膿瘍など重篤な病態に至る可能性があり,早急な治療が求められる.今回われわれは,感染性縦隔嚢胞の治療に難渋した1例を経験したため,文献的考察を加えて報告する....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 82; no. 8; pp. 1499 - 1503
Main Authors 谷口, 哲郎, 岡戸, 翔嗣
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2021
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.82.1499

Cover

More Information
Summary:患者は75歳,男性.2019年12月に前胸部痛にて受診し,胸部造影CTで中縦隔嚢胞の感染が疑われ,緊急手術を行った.胸腔鏡下に膿瘍の切開排膿を行ったが,術後5日目に感染が再燃し,術後12日目に両側開胸で再手術を行った.二度目の手術後の経過は良好で,再手術後25日目に退院となった.縦隔嚢胞性疾患は多くの場合無症状で経過するが,感染を合併した場合は縦隔膿瘍など重篤な病態に至る可能性があり,早急な治療が求められる.今回われわれは,感染性縦隔嚢胞の治療に難渋した1例を経験したため,文献的考察を加えて報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.82.1499