骨太の未病

はじめに-待ったなしの医療構造改 1. 革の中で 2002年となり, 高齢少子化とともに包括医療の具体化案, 老人医療費給付の75歳以上が検討され始め, 医療の主軸が流動化をなす時代に入ってきた. 医療構造改革は大きなうねりをみせ押し寄せてくるかにみえる. このとき未病は2000年の眠りから覚め, 大きなベクトルをもった21世紀の医療として, その実体を現してくるのではないだろうか. ここでは, その未病による医療社会とは何を指すのであろうか. もう1度未病の原点から21世紀の医療を眺め, 「骨太の未病」という演題で述べてみる. 2. 未病の流れ 未病と言う言葉は2000年前の中国の古典である...

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Published in日本未病システム学会雑誌 Vol. 8; no. 2; pp. 252 - 255
Main Author 福生, 吉裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本未病システム学会 2002
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ISSN1347-5541
2185-2162
DOI10.11288/mibyou1998.8.252

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Summary:はじめに-待ったなしの医療構造改 1. 革の中で 2002年となり, 高齢少子化とともに包括医療の具体化案, 老人医療費給付の75歳以上が検討され始め, 医療の主軸が流動化をなす時代に入ってきた. 医療構造改革は大きなうねりをみせ押し寄せてくるかにみえる. このとき未病は2000年の眠りから覚め, 大きなベクトルをもった21世紀の医療として, その実体を現してくるのではないだろうか. ここでは, その未病による医療社会とは何を指すのであろうか. もう1度未病の原点から21世紀の医療を眺め, 「骨太の未病」という演題で述べてみる. 2. 未病の流れ 未病と言う言葉は2000年前の中国の古典である『黄帝内経素門』に初めて登場する(図1). ここで「聖人不治既病, 治未病」とあり, これが原点と考えられる. 『黄帝内経素門』で提唱された「未病」は総じて病気以前の状態を指し, 医師としてこの未病を見極めるをもって名医と位置づけている. 検査のなかった後漢の時代に, 重篤な病気になる前の予備状態として未病という概念が創設されているのに驚かざるを得ない. 学者「岐伯」との問答でも, 現在の生活習慣病に相当するさわりがみられる.
ISSN:1347-5541
2185-2162
DOI:10.11288/mibyou1998.8.252